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【VALORANT】CSGOの競技シーン出身者に勝つためには -第4章- セットアップ

 

本連載記事は旧コンテンツです。

新バージョンを下記事にて記載しております。

amboxambo.hatenablog.com

 

 

これの続き

amboxambo.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

5種類の攻め方

 

では、爆破FPSでは具体的にどういった戦術を用いるのか、その手法について細かく述べていきたいと思います。

 

FalleN氏(2016)は、戦術は以下の5種類に分類される*1と定義しています。

  • セットアップ(Setup / Execute) 
  • ファスト(Fast Strats)
  • スタンダード(Mid Control / Default / Standard)
  • フェイク(Fake)
  • ルーズスタイル(Loose Style)

 

また、Laz氏(2017)はこの5種類の攻め方を「教科書的な攻め方」*2と分析しています。

 

この5種類の戦術はCSGO出身者なら誰でも知っているので、爆破FPS初心者の方はまずこれらの手法とその意味や効果を知っておきましょう。

  

 

セットアップ

 

「誰がサイトにスモークを炊くのか」「誰が先頭でサイトに攻めるのか」などの役割が決まっているプレイのことを【セットアップ(Setup)】、もしくは略して【セット】と呼びます。

また、セットアップ時に用いるスモークのことを【セットスモーク】と呼んだりします。

 

Laz氏(2020)は、セットアップについて「サイトに攻め込むときに基本となる戦略」*3と定義しています。

※正しくは戦略ではなく戦術

 

余談

VALORANTでは、特殊なスモークを使えるエージェント(ブリムストーンオーメン)、敵を行動不能にするアビリティを持ったエージェント(レイナ、フェニックス、ブリーチ)など、エージェントによってできることが違うため、必然的に役割は固定されることがほとんどでしょう。ゆえに、役割についてはここでは強く触れません。更なる理解を深めたい方は、CSGOにおける役割の重要さについて主張した私の過去記事を読んで頂くか、FPSにおける役割についてググって頂ければ幸いです。

amboxambo.hatenablog.com

  

 

KuniCchi氏(2016)は、役割があるプレイについて以下のように報告しています。

自由流動的なプレイと比べて事故率を下げる効果が見込まれ、そしてそれはチームプレーの効率化に繋がります。*4

 

加えて、Xizt氏(2020)はプレイヤーに役割を与えることのメリットについて、以下のように主張しています。

having a more strict approach will make sure that those individual plays are reduced to a minimum as much as possible, allowing for more effective trades and counterstrats.*5

クソ翻訳:より厳密なアプローチを取ることは、個々人のプレーが可能な限り最小限に抑えられ、より効果的なトレードキルが発生し、それは敵の対策へのカウンターになります。

 

このように、爆破FPSでは役割があるプレイ=セットアップは効率的であると知られています。

 

 

セットアップの例

RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL Crest Gaming vs. DetonatioN Gaming [BIND]

4ラウンド目 

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インセンディアリーリコンボルトスロウオーブを一斉に使用し、リーアで突入します。

そして、射線を切るためスカイスモークを2個使用します。

 

この時、最初に突入したレイナ【エントリー(Entry Fragger)】【ファースト(First Attacker)】【フォワード(Forward)】などと呼ばれ、誰よりも率先してサイトのクリアリングを行います。

 

レイナに続いた3人(セージソーヴァブリムストーン)は【サポーター(Supporter)】【セカンド(Second Attacker)】【バックアップ(Backup)】【カバー(Cover)】などと呼ばれ、レイナが切り拓いた戦線を更に押し上げたり、レイナが死んだ際にトレードキルを取る役割を担います。

 

単独で隠密行動しているサイファ【ラーカー(Lurker)】【ゲットライト(GeT_RiGhT)】などと呼ばれ、敵に警戒されていないポジションから不意打ちを行うことで敵の一機殲滅を狙います。

  

 

RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL BAKEMON vs. 野良連合 [ASCENT]

19ラウンド目

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オウルドローンハンターズフューリーでクリアリングしてから、安全な場所までジェットが単独で侵入し、クラウドバーストスカイスモークで射線を切って突入します。

 

 

RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL 野良連合 vs. Cyclops athlete gaming [HAVEN]

16ラウンド目

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リーアでサイトに突入し、ダークカバーで射線を切ります。

そして、レイナサイファの2人でサイトを挟撃しています。

 

 

RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL BAKEMON vs. Lag Gaming [SPLIT]

3ラウンド目

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オウルドローンでクリアリングし、 クラウドバーストスカイスモークで射線を切って突入します。

 

 

CSGOの例

IEM Katowice 2019 Liquid vs. Natus Vincere [Mirage]

30ラウンド目 

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CSGOにおける、おそらく最も有名なセットアップです。

スモークを3つ、VALORANTでいうインセンディアリーを3つ使用し、複数のフラッシュでサイトに3方面から突入します。

 

このように、セットアップはどのマップでも、もといどんなゲームでも行える基本的な戦術だと言えるでしょう。

 

 

飛び出し式

 

セットアップは基本的だとは言えども、不十分な場合があります。

例えば、以下のような形状のマップは、サイトに突入する前の通路で壊滅する恐れがあるので、少し一工夫する必要があります。

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具体的に

  • サイトへの連絡通路が狭い、長い
  • サイトが広い
  • 防衛側は守ることのできるポジションが多い上に、連絡通路を抑えるだけでいい(つまり攻撃側は見るポジションが無数にある)

 

こういった地形上の条件が揃った際、飛び出し用のスモークを使用することが多いです。

 

 

RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL 野良連合 vs. Cyclops athlete gaming [HAVEN] 

13ラウンド目 

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サイト入り口にダークカバーを展開させ、リーアで一気に突入します。

 

 

この戦術の何が強いかと言うと、防衛側はこのスモークが使われるだけで

  • 敵がどこまで侵攻しているのか分からない(そもそも敵がいるのかどうかすら分からない)
  • サイト内の遮蔽物からオーバーピークして、スモークから敵が出てくる姿を抑えなければならない

といった状況が生まれるのです。

 

まさにその状況を体現したラウンド 

7ラウンド目

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サイト入り口に飛び出し用のサイバーケージを展開させ、その左右からサイトに突入します。

 

防衛側ソーヴァは攻撃側ソーヴァがケージから左にスッと抜けた瞬間を完全に抑えることができず、サイト内に気を取られている隙に、ケージから右に抜けたサイファに撃破されるのです。

 

 

T1 x Nerd Street Gamers Showdown Team SoloMid vs. FaZe [ASCENT]

4ラウンド目

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ダークカバーブレイズを使い、サイトまで気付かれずにスッと入ることができました。(この動きを勝利に繋げることはできませんでしたが)

 

 

CSGOの例

ESL One Cologne 2019 Team Liquid vs. Vitality [Dust2]

12ラウンド目

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スモークの中から3方向に飛び出ています。

最初に飛び出た選手はサイト内の防衛側に気付いていませんでしたが、味方のカバーによってやられることはなかったです。

 

このように、奥目に炊かれたスモークはスッと前後左右から抜けることができるということを覚えておきましょう。

 

言い換えれば、敵がミススモークを使ったならそれを逆手に使用するのもアリだし、逆に自分は敵有利になるスモークを投げてはいけません。

 

SepiaMARS氏(2018)は、飛び出し用のスモークを使う際は「自分から見て出来るだけ奥側にスモークを投げる」*6ことが重要だと指摘しています。

敵有利にならないよう、奥目に投げるよう心がけましょう。

 

 

 

 

 

ファスト

 

2番目に紹介する戦術は【ファスト(Fast)】です。

【ラッシュ(Rush)】とも呼ばれたりします。

 

その形態から、ほぼセットアップと同じような攻め方になることが多いですが、セットアップと違う点として、ラウンド開始直後や序盤に全員で固まってサイトへ攻め入る点が挙げられます。

 

その意外性・テンポ感の変動から、ファストを警戒していない相手に対しては大きな効果を得ることができます。

 

警戒していない相手例

  • 初動は特定のサイトに1人しかいない
  • サイト後ろ目で、セーフティ・パッシブに守っている
  • オペレーターで前目の初動勝負している 等

 

 

Kaestu CUP 野良連合 vs. AKIHABARA ENCOUNT 神威 [HAVEN]

4ラウンド目

Cサイトには1人しかいませんでした。 

 

 

RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL JUPITER vs. 野良連合 [SPLIT]

14ラウンド目

初動にリコンボルトオウルドローンでクリアリングしてから、一気にサイトへ雪崩れ込みます。

 

 

CSGOの例

IEM Katowice 2020 Fnatic vs. G2 Esports [Dust2]

24ラウンド目

スナで無防備に佇んでいる防衛側をなぎ倒すことができました。

 

 

ファストは強いとは言えども、対策されると無力なので、1試合に1〜2回見られる程度です。

FalleN氏(2016)は、ピストルラウンドやアンチエコ(敵側よりも味方側が高価な武器を買える)ラウンドで使うと効果的*7だと考察しています。

  

それ以外のラウンドでファストを行う際に気を付けることは、

→対策されなかった→勝ち

→対策されてた→負け

といったように、じゃんけんと同じ発想で作戦を遂行すると、勝率が安定することはないです。

  

上述したような、敵がファスト警戒していないという情報を取ることで、ファストを成功へと導くのです。

 

  

次 情報取り

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