【VALORANT】CSGOの競技シーン出身者に勝つためには -第3章- 勝ち確設置ができる状況
本連載記事は旧コンテンツです。
新バージョンを下記にて連載予定です。
これの続き
勝ち確設置ができる状況・そのための戦術
まずは、
- どういった設置が【勝ち確設置】で、どこから監視できるのか
- どのような状況下でその設置ができるか
以上の2点について、バインドを例に出しながら考えてみましょう。
バインド Aサイト
バインドAサイトにおける定番な勝ち確設置は、トラック南側でしょう。
このように、L字・ショート・シャワーなどから監視することができます。
状況に応じて、小部屋からの裏取りも可能です。
では、どのような状況でこの設置ができるのでしょうか。
具体的には、防衛側がこの赤いエリア内にいない場合は勝ち確設置することが可能です。
当然ですよね。テトリスに防衛側がいる場合は設置なんてできるわけないです。
ちなみにこの設置場所は、小部屋・トリプルなど、サイト奥までクリアリングしなくとも設置が可能なことから、中設置・安全設置としてのポテンシャルも持っています。
(この知識は重要で、11章にて使用します)
しかし、設置時にこの赤いエリアが確保できていなかった場合、敵からの射線が通ってしまい、設置できなくなるのです。
例
RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL JUPITER vs. AVALON Gaming
4ラウンド目
6ラウンド目
このように、攻撃側はテトリス周辺を取れておらず、防衛側のカウンターを許してしまったため、設置することができませんでした。
絶対に勘違いしてはいけないのですが、スモークは壁ではありません!
バリアオーブのように、銃弾を完全に遮蔽できるわけではないので、このように簡単にモク抜きされてしまいます。
上位層と呼ばれる人たちは、これらのモク抜きポジの多くを知っており、大会でもよく使われます。
加えて VALORANT では、リコンボルト・トラップワイヤーのように、敵の位置を具体的に知ることができるアビリティが存在します。
これらのアビリティの使い方次第では、モク抜きは他のゲームよりも容易になると言えるでしょう。
つまり、攻撃側はスモークを炊いて一安心する余裕はないのです。
防衛側が攻撃側のスモークを利用して4キルした例(CSGO)
BLAST Global Final Bahrain 2019 Team Liquid vs. Astralis [Inferno]
10ラウンド目
スモークをスッと抜けて2キルした場面 図解
モク抜きによって2キルした場面 図解(画面外)
このように、スモークは使い方次第で敵有利にもなるということを覚えておきましょう。
閑話休題。バインドの話に戻ります。
では、勝ち確設置をするために、防衛側のカウンターを防ぐような具体的な戦術は以下であると導かれます。
このように、シャワーとショートの2方面から突撃し、サイト手前側を完全にクリアリングする必要があるでしょう。
この2方面から突入することを、軍事用語で【二正面作戦(Two-front War)】【外線作戦(Exterior Lines)】、FPS用語で【挟み(Split)】と呼ばれます。
なぜ2方面から攻めるのかと言うと、2章でも述べたように敵にまともに撃ち合いをさせない状況を簡単に作ることができるからです。
そして、勝利のため(この場合は勝ち確設置をするため)に広くのエリアを取っておくことを【マップコントロール】【エリア確保】などと呼びます。
YamatoN氏(2020)は「多くのエリアを、取っておくことは、勝利に本当に繋がる」*1、Laz氏(2017)は「特定の場所をコントロールする事で様々な状況有利、特に情報量による有利を引き出します。」*2と、それぞれマップコントロールの優位性について指摘しています。
マップコントロール自体は直接的な勝利に繋がりませんが、多くのエリアを持っていることで勝利に最も近い最適な作戦が行えるようになります。
これを【エリア理論】と呼びます。
自軍のA側セーフティエリアを広げた後に、A挟みが行われた例
RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL Crazy Raccoon vs. Sunsister Rapid
7ラウンド目
このように、Aサイトで勝ち確設置を安全に行うためには、シャワーとショートの2方面から攻め入る必要があるでしょう。
バインド Bサイト
Bサイトの勝ち確設置はこの状況でしょう。
コンテナ南側の凸形状部の周囲に設置することで、ロング、窓などから監視することができます。
しかし、このようにエルボーから射線が通ってしまいます。
つまり、エルボーからの射線を排除しなければ勝ち確設置をすることができません。
エルボーが取れていないものの、バリアオーブで物理的な壁を作り、射線を完全に切った状態で設置した例
RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL Crazy Raccoon vs. Sunsister Rapid
9ラウンド目
3対3で人数差はなかったにも関わらず、攻撃側は勝ち確設置のおかげで余裕を持ってプレイすることができ、勝利しました。
これらのことから鑑みると、B攻めもAと同様に2方面から攻めるのが最適であると言えるでしょう。
一例
Bの勝ち確設置ではAと比べて多くのエリア(Bショート・Bロング・エルボー・サイト裏の4つ)を確保しないといけないため、Bの勝ち確設置はAよりも難しいと言えるでしょう。
(この知識は重要で、11章にて使用します)
勘違いしてはいけないのが、勝ち確設置が目的ではなく、勝ち確設置を生かしたムーブをすることがゴールです。
勝ち確設置(厳密には違う)ができたのにも関わらず、その設置場所を生かすポジショニングができなかったため敗北した例
Valorant Esports Tournament FaZe vs. Immortals
2ラウンド目
防衛側スポーン側からはスパイクを監視することができないため、攻撃側サイファーとソーヴァは窮屈な立ち回りを強いられることになり、敗北しました。
初心者は勘違いしやすいのですが、状況に合わせた「勝ち筋」を考えて、設置場所・ポジションを臨機応変に変えましょう!
具体例を挙げると、防衛側に窓を取られている場合は、このような設置が最適であるでしょう。
RAGE VALORANT JAPAN INVITATIONAL Crazy Raccoon vs. Sunsister Rapid
12ラウンド目
サイト裏に設置しています。
勝ち確設置が常に最適とは限らないことを覚えておきましょう。
まとめ・発展
ここではバインドを例に挙げましたが、どのマップ・サイトでも考え方は同じです。
- そのサイトの【勝ち確設置】はどこなのか
- どこまでエリア確保できれば【勝ち確設置】ができるのか
- そのエリア確保までに必要な準備・最適な攻め方はどのようなものか
このような考え方を【マップ理解】と呼びます。
マップ理解が深まることで、必然的に最適な戦術が導き出されるのです。
次 具体的な戦術について
この記事は、Riot Gamesが公式承認するものではなく、Riot Games又はVALORANTの製作・管理に正式に関与したいかなる者の見解・意見に基づくものではありません。VALORANT及びRiot Gamesは、Riot Games, Inc.の商標又は登録商標です。VALORANT ©︎ Riot Games, Inc.