FaZe Clan の変化から学ぶ、ロールの重要性
猫アンボと申します。
新生FaZe Clan はガンガン勢いがあって良いですね!
ここでは、新生FaZe が従来と何が違うのかを導き出すのと共に、そこから得られる結果からCSGOにおけるロールの重要性を説いていきたいと思います。
そもそもロールって何ぞや! って人は、先例記事がたくさんあるので、まずはこれら一通り読んで、感覚的にでもいいので理解して下さい。
チームを作ったあとやるべきこと - EROC CS:GO blog
Roles in CS:GO - CS:GOを学ばなくなったブログ
CS:GOの役割 | CS:GOのプレイヤーの役割と機能の説明
前回は大容量すぎて、バグって携帯から見れなかったので、今回は軽め。
1万2000字。
読破所要時間目安:30分
前回↓
メンバーの違い
まずは基礎的なところから。
GuardiaN・karrigan 期(2017年夏〜2019年)
かっこいい紹介動画あるので、ぜひ見て下さい。
Astralis が映ったら切って結構です。
rain
GuardiaN
karrigan
olofmeister
NiKo
以上の5人ですね。
この頃の FaZe はこのように形容されています。
FaZe were a superteam, built to win majors and dominate the competition and leading up to the Boston Major. They were certainly living up to their reputation.
(中略)
Stewie2K: You can kind of compare us to FaZe. We're not as good as them right now but they have five superstars and I feel like we have five superstars as well.
英語合ってるかは知らん。
めっちゃ意訳
FaZe はスーパーチームでした。ELEAGUE Major: Boston 2018 に到るまで、彼らはメジャーなど数多くの大会で首位を占め、ライバルを圧倒していました。
Stewie2K「FaZe には5人のスーパースターがいるけど、俺たち(Cloud9)も5人のスーパースターだぜ!」
要するに、5人のスーパースターによるスーパーチームと覚えておけば結構です。
coldzera・broky 期(2019年秋〜)
rain
olofmeister
NiKo
coldzera
broky(トライアル)
SK Gaming の立役者である coldzera と、ラトビアの新鋭 broky が加入。
しかし当初は、broky のことはあまり話題になりませんでした。
BLAST Pro Series: Global Final 2019
FaZe trying to something possible at coldzera inside this line up going into 2020.
意訳
FaZe は coldzera をラインナップに加え、2020年に向けて何かを可能にします。
broky については触れられていませんね。
GuardiaN という AWPer の欠如と、それに変わる AWPer は一体誰になるのか。
olof? zera?
また、broky とは一体何者なのか。
これらの問題は世間を大きく賑やかしました。
戦術の違い
CSGOというゲームは、Overwatch、R6S、Dota 等と違って、ゲームシステム的に個々人に決まった役割が与えられていないので、役割を分担することが先決であり重要です。
なので、メンバーが変われば当然、役割は変わり、戦術も変わります。
この2つの時期を見比べると、アタッカーとサポートの役割が大きく違っていることが分かります。
旧FaZe
rain
旧FaZe のエントリーは、多くは rain が務めています。
また、rain はラーカーを兼任しています。
それが分かる数ラウンドをピックアップしたいと思います。
余談
ラークと言えば、多くの人は GeT_RiGhT や Happy を想像するでしょうが、rain はそのスタイルとはちょっと違います。
IEM Oakland 2017 Ninjas in Pyjamas vs SK Gaming in Inferno
DreamHack Open Cluj-Napoca 2015 EnVyUs vs G2 in Cache
後ろから忍び寄り、敵を一掃するスタイルは、まさに CSGO の花形のロールです。
しかし、実はこのラーク方法は世界的に見ても珍しく、2020年現在、トップ層で好んで使われるのは Team Liquid の EliGE、mousesports の ropz くらいです。(結構いるやん)
なぜなら CSGO は1チーム5人のゲームなので、5人で本命へ攻め入るのが最高率です。
それを踏まえた上で、4人でA攻め、1人でBラーク、というのは最効率とは言えません。
ラークが失敗した例
Europe Minor Open Qualifier 1 - ESL One Rio 2020 Dignitas vs Sprout in Mirage
Bラッシュ→壊滅
残ったのは、ラークで離れた場所にいる GeT_RiGhT のみ。
ESL One Cologne 2014 Dignitas vs. Cloud9 in Mirage
A攻め→壊滅
残ったのは、ラークでBにいる seang のみ。
また、CTのメタが変わったという要因もあります。
CTの守り方が、前目でどこか場所を取る=マップコントロール主体的になったため、こういった孤立したラークは狩られてしまうようになりました。
Mirage で例えると分かりやすいかも。
2015〜16年、SK Gaming が台頭。ミッドコントロール強すぎィ!
→Aメイン・宮殿・Bアパートに逃げる戦法が、誰もが知るベーシックなものに
→そこで潜んでいたラーカーが死亡 or 役割遂行不可
そこで2017年くらいに、ラーカーがエントリーを兼ねて良いポジを陣取り、そのまま本命を挟み込むスタイル(=5人で攻める)が流行しました。
むしろ、エントリーがラークを兼ねると言った方がいいかもしれません。
先人たちのラークはラウンド終盤やリテイク時に一掃するスタイルですが、ニュータイプのラークはラウンド序盤や設置する前に活躍するスタイルと分けて考えれば、違いが分かりやすいです。
rain はそのニュースタイルを確立させた先人と言えるでしょう。知らんけど。
元 HellRaisers の コーチとして著名な Johnta が似たようなこと言ってる記事。
ってかこの概念できたの2017年くらいじゃないの?
2019年に、さも新しい情報かのように言うのは、CSGOにおけるアナライズの分野遅れてません?
閑話休題。
rain のエントリー・ラーク例
ESL Pro League Season 6 Finals vs SK Gaming in Inferno
5ラウンド目
図書館遮断スモークを投げ、対角を燃やし、karrigan にフラッシュを貰ってALへ突入し、Fallen を倒します。
そしてそのままCTベースに居座ります。
※この頃は、図書館遮断スモーク=B挟みという認識なので、TACO がCT抜けを警戒して図書館へとローテーションしました。
図書館遮断スモークとは
6ラウンド目
T字が取れたので、ALのラークポジで相手の甘えたピークを待っています。
結果、rain のおかげでAをホールドできたので、本命BからAへ切り返しました。
IEM Sydney 2018 vs Astralis in Cache
14ラウンド目
ブーストから1人でミッドを詰め、白箱の gla1ve を倒し、そのままミッドに留まり続けます。
ESL One New York 2017 vs Liquid in Mirage
18ラウンド目
ミッドコントロール後、A攻め。
rain はミッドの箱裏に残り、敵の意識をミッドに寄せています。
まとめ
エントリーとラークを兼ねる臨機応変なスタイルは、打倒 SK Gaming 期に生み出されたニュータイプな戦術と言えるでしょう。
GuardiaN
GuardiaN 固有のアグレッシブな AWP は非常に強力です!
彼は AWP をロングレンジのショットガンと見做し、チャンスがあればガンガン攻め進めていきます。
ESL One New York 2017 vs Cloud9 in Overpass
13ラウンド目
エコ相手に先頭でガンガン詰めれるのやばいでしょw
ESL Pro League Season 7 vs Ninjas in Pyjamas in Overpass
22ラウンド目
いやショットガンかよw
EPICENTER 2018 vs Ninjas in Pyjamas in Mirage
8ラウンド目
B攻め。
通常、AWP はアパートから降りずにロングレンジで安全な位置から抑えるのが基本ですが、彼はアパートから降りてサイト内の本戦闘に参加します。
10ラウンド目
初めは AWPer らしくCTを抑えてますが、設置後は好き勝手に暴れ回ります。
(他の味方がエコだったので、自身が暴れてキャリーしないといけない使命感はあったかもしれません)
最後の箱周りの戦いも、立ち回りが完全にショットガンw
IEM Sydney 2018 vs Renegades in Inferno
10ラウンド目
アグレッシブAWPの有名なスポットの1つ、初手窓ピーク。
2キルするだけでなく、しっかり生還していることからも、彼の練度の高さが伺えます。
StarLadder & i-League StarSeries Season 4 vs Liquid in Inferno
22ラウンド目
アンチエコ。
nitr0 が Glock で挑発しているのを聞いて、その挑発に応じていきます。
25ラウンド目
このように、GuardiaN はピストルの扱いも非常に自信があるので、こういったアグレッシブなプレイも躊躇せず実行することができます!
関係ないですが、私は GuardiaN のスタイルに憧れて、まずは P2000 を使うところから始めました。今では使ってないです。
まとめ
GuardiaN は非常にアグレッシブなプレイを好み、エントリーも難なくこなす。
このロール分担で起こる問題
rain が詰めて、GuardiaN が AWP を持つ。
具体的に以上です。
それ以外は適当です!
つまり役割が明確に決まっていません。
この分担で起こりうる問題
rain がラークをしており、GuardiaN が詰めない(セットプレイなどの)時に、アタッカーが足りなくなるのです!
理由
olofmeister:Fnatic 時代は 2ndAWPer だったため、生粋のアタッカーではない。
NiKo、karrigan:共にIGL・投げ物投げたがり・後方支援タイプなため、生粋のアタッカーではない。そもそも役割が被っている。
また、サポートが明確に決まっていないので、投げ物を残す人がおらず、最終局面でフラッシュが足りなくなるのです。
ESL One New York 2017 vs Cloud9 in Overpass
14ラウンド目
Aセット。
この作戦での役割内訳
アタッカー:olofmeister
サポート:karrigan、GuardiaN
ラーク:rain、NiKo
① olofmeister、GuardiaN がスモークを投げ、karrigan がトラックを燃やします。
② karrigan、GuardiaN がフラッシュを投げ、サイトに突入します。
問題点
サイト奥の Stewie2K がフラッシュを食らっているのに、本隊がサイトに入る頃にはブラインドが解除されています。
で、2キルされる。
原因
アタッカー役である olofmeister が後ろ目でスモークを投げているので、突入するのがすごく遅い。フラッシュも少ない。
FACEIT Major: London 2018 vs mousesports in Mirage
8ラウンド目
Bセット。
この作戦での役割内訳
エントリー:rain
サポート:olofmeister、GuardiaN、karrigan
ラーク:NiKo
olofmeister、GuardiaN、karrigan が順にフラッシュを1つずつ投げていますが、rain がファーストピークする頃には既に、敵のブラインドは解除されています。
で、rain と一緒に詰める人がいないから、トレードしてあげる人がおらず、グダグダすることとなります。
(Snax が甘えたピークをしてくれたおかげで、何とか設置までたどり着けましたが、通常は rain が無駄死にしていることでしょう)
EPICENTER 2018 vs Liquid in Inferno
24ラウンド目
Bセット。
この作戦での役割内訳
本隊:olofmeister、NiKo、karrigan
サポート:GuardiaN
ラーク:rain
敵が炊いたスモークを抜けるため、GuardiaN が後ろからフラッシュを投げますが、それだけです。
EliGE には食らわせていますが、これも勿体ないことに本隊の3人がサイトに入る頃にはブラインドが解除されています。
また、モロトフを投げるタイミングも一般的ではないです。
通常はモロトフ→敵を炙り出す→フラッシュ→ブラインドしている間に突入ですが、この場面では、フラッシュ→モロトフの順でした。
しかも結局、KeNNy の EliGE は燃えてないですね。
ELEAGUE CS:GO Premier 2018 vs mousesports in Mirage
21ラウンド目
変則Aセット。
この作戦での役割内訳
アタッカー:rain、karrigan
サポート:olofmeister、GuardiaN
ラーク:NiKo
詰める人がいない代表ラウンドです。
rain → エントリーラークをしに、ジャングルに気が向いている。
karrigan → サイトに気が向いている。
本質的なアタッカーは karrigan のみです。
で、karrigan がキルされてもカバーしてくれる人がいない。
→ rain が流れ弾で事故死。
ここで後ろの NiKo と olofmesiter がピークするも、時すでに遅し、1人ずつ狩られてしまう。
サイト中には ropz しかいないのに、倒すことすらできないのはかなりヤバいです。
ELEAGUE Major: Boston 2018 vs Cloud9 in Overpass
11ラウンド目
旧FaZe期 の一番のやらかしとして有名な大会です。
トイレセット→Aセット
この作戦での役割内訳
本隊:rain、karrigan、GuardiaN
ラーク:olofmeister、NiKo
ASを取るまではスムーズですが、本隊がサイトへ突入するためのサポーターがいません!
olofmeister、NiKo は戦略的意味の無い場所でラークしているため、本隊が壊滅しても爆弾を設置する人がおらず、敗北します。
in Inferno
30ラウンド目
ラウンド開始時に持っているフラッシュは7個。
そして olofmeister が倒された時点でのフラッシュ残数は0個。
→A、Bどちらに行くにしろ、フラッシュが残っていない。
作戦遂行において、残しておくべき投げ物の逆算ができていません。
まとめ
rain 以外のアタッカーが明確に決まっていないから、詰めるのが遅いし、詰める人がいない。
サポートが明確に決まっていないから、最終局面でフラッシュが足りなくなる。
しかし、ラッシュといった、無駄な行動が起こり得ない作戦の場合のみ、本隊とサポートの歩調が合い、フラッシュも絶えず光り続けます。
EPICENTER 2018 vs Liquid in Mirage
9ラウンド目
Bラッシュ。
この時使われたフラッシュは7個。
14ラウンド目
A挟みラッシュ。
olofmeister のフラッシュを起点に、rain と karrigan が連通から飛び出します。
そして、karrigan が rain にフラッシュをもらい、CTを取りに行きます。
EPICENTER 2018 vs Ninjas in Pyjamas in Mirage
13ラウンド目
宮殿ラッシュ。
NiKo と karrigan の3つのフラッシュを起点に、本隊3人が飛び出します。
IEM Sydney 2018 vs Astralis in Cache
9ラウンド目
Aセットプレイ。
スモークを2個投げ、クアッド、NBKといったサイト奥を完全に焼却し、karrigan、GuardiaN がクアッドにフラッシュを入れ、rain が突入します。
どれも非常に攻め方が綺麗ですね!
まとめ
旧FaZe はロールが明確に決まっておらず、最終局面で攻め方が甘くなることが多かった。
つまり、ロールを定めることができれば、さらなる勝利を得ることができたかもしれません。
新生FaZe
では、新生FaZe での戦術は具体的にどうなっているでしょうか。
基本的戦術
BLAST Premier: Spring 2020 vs Ninjas in Pyjamas in Mirage
6ラウンド目
ハイミッドの broky のフラッシュを起点に、rain、olofmeister、NiKo がピークします。
この時、coldzera はA坂に潜んでいます。
8ラウンド目
宮殿ラッシュ。
coldzera のフラッシュを起点に、rain、olofmeister、broky がピークします。
in Overpass
17ラウンド目
Aセット。
olofmeister 、NiKo の2人がサイト直前まで前線を上げてから、broky がフラッシュを投げ、サイトにピークします。
vs Liquid in Inferno
19ラウンド目
olofmeister のフラッシュでT字に突入後、NiKo のフラッシュで coldzera が nitr0 を倒し、ALを取ります。
そして broky のフラッシュで、rain、NiKo がサイトに突入します。
20ラウンド目
少人数Bセット。
olofmeister が自分のピーク用にフラッシュを投げ、サイト手前まで詰め、その後 broky にモロトフとフラッシュを貰い、サイトまで突入します。
これらから分かること
→ ロールがだいたい決まっている。
具体的にいうと、
アタッカー:rain > olofmeister > NiKo
サポート:broky > coldzera> NiKo
ラーク:coldzera > olofmeister
ですね!
今までの FaZe には見られなかった、全く新しいスタイルです。
これを踏まえた上で、別のラウンドも見ていきましょう。
broky の位置に注目してください!!
broky
in Mirage
11ラウンド目
B攻め。
coldzera がミッドで敵の意識を集めている間に、olofmeister、broky らがフラッシュを投げ、rain がファーストキル、olofmeister がトレードキルを取っています。
この時、broky はアパートに残り、ロングレンジを抑えています。
in Overpass
19ラウンド目
A攻め。
coldzera のフラッシュを起点に、NiKo、rain、olofmeister がサイトに侵入します。
この時、broky はAショートに残り、銀行側を抑え、本隊を倒すためピークしてきた twist を倒します。
vs Liquid in Mirage
22ラウンド目
ミッドコントロール → B挟み
この時、broky はBショートに残り、サイト奥やマーケットを抑えています。
このラウンドのPOV
GuardiaN と比べてみると、プレイスタイルが全く違いますね!
GuardiaN はショートレンジを恐れずガンガン攻め進めるタイプなのに対し、broky はスナイパーらしく後ろからロングレンジを置くムーブが主流です。
これにも訳があります!
→broky がサポーターとして、後衛に回っているため!
FaZe Clan の変化から学ぶ、ロールの重要性
さて、この新旧2つの時期を見比べてみて、大きく変わった点が2つありました。
①最終局面のために、フラッシュを残すサポーター(特に broky、coldzera)が決まった。
②AWPer(broky)がサポートと明確に決まったことで、必然的に AWP は後ろからロングレンジを抑えるパッシブな役割に変わった。
サポーター
この記事の一番初めでも述べましたが、
CSGOというゲームは、Overwatch、R6S、Dota 等と違って、ゲームシステム的に個々人に決まった役割が与えられていないので、役割を分担することが先決であり重要です。
役割を与えられていないと、行動に制限がかからなくなるので、自由になります。
すると、戦略上意味のない行動を取ってしまうことが起こり得るので、無駄な死を誘発する恐れがあります。
ロールを与えること、これは自由流動的なプレイと比べて事故率を下げる効果が見込まれ、そしてそれはチームプレーの効率化に繋がります。
CS:GO 各プレーヤーの役割について - とくになし
Overwatch、R6Sでロールを遵守するのは当然のことです。
なぜなら、そもそものゲームシステムで定められていることだからです。
しかし、CSGOではゲームシステム的にロールなんて存在しないので、個々人が自由に行動することができます。
これが大きな穴で、「じゃあ自由に行動していいんだ!」は短絡的な考えで、「勝利につながる効率的な行動を取るためには、ロールを遵守しないといけないんだ!」が正しいゲーム理解です。
Rocket League で考えると分かりやすいですね!
全員がゴールキーパーするのは明らかにアホです。
大事な場面でゴールキーパーがいなかったり、最高なパスを送ったのに決めるストライカーがいなかったり、それが 旧FaZe の実情だったのではないでしょうか。
現に、多くのトップチームは、絶対に死んではいけない要人(多くはIGL。gla1ve、nitr0、Fallen などが代表例)を定め、最終局面まで投げ物を温存しています。
今になってロールに固執し出したのは、こういったトップメタを取り入れた形とも言えるでしょう。
ではなぜ今まで勝てていたのか?
旧FaZe のメンバーを思い出してください。
NiKo:ドイツ mousesports のエース
olofmeister:スウェーデン Fnatic 黄金期の立役者
karrigan:デンマークきっての頭脳
GuardiaN:社会主義共和国きってのスナイパー
FaZe Clan は、国籍もバラバラなハイパーメンツを揃えたスーパーチームでした。
そんなチームは、多くは撃ち合いのみで相手を完封することができたでしょう。
しかし今では違います!
Astralis をはじめとした、CS理解を深めたチームの台頭により、変化することのできなかったチームは軒並み廃れることとなりました!
これは Ninjas in Pyjamas や Fnatic がメンバーを変えながら今でも第一線で活躍している現状や、スーパーエースがいる Natus Vincere や Vitality がトップ層の争いで勝ち残れない現状を顧みると分かりやすいでしょう。
つまり、現代のメタは、
撃ち合いの強さ <<<<< CS理解
と言えるでしょう。
これも、王者 Astralis のIGL、gla1ve が HLTV Top 20 Players of the Year にノミネートされないことからも分かることです。
そんな時代だからこそ、CSの原点に還ったロールの遵守は、トップ層での争いにて勝ち残る秘訣の1つなのでしょう。
AWPer
私は過去記事にて、AWPer における重要事項を述べました。
①マップ兵器としてのAWP を上手に扱えるか、②武器としてのAWPを上手に扱えるかが重要
【BLAST Pro Series 2019】Astralis は何故 Team Liquid に勝てるのか【Inferno】 - Ambo consists of Ambox
以上の2点です。
さて、GuardiaN と broky は以上の2点をどれだけ理解していたのでしょうか。
まずは GuardiaN。
彼は AWP をロングレンジのショットガンと見做し、チャンスがあればガンガン攻め進めていきます。
この自信溢れる行動からも分かるように、 彼の②武器としてのAWP技術は間違いなく世界トップレベルです。
しかし、ロングレンジで抑えるのを好まないプレイスタイルから見るに、①マップ兵器としてのAWPは上手く活用できていなかったのではないでしょうか。
では broky はどうでしょうか。
彼の②武器としてのAWP技術は、まだまだ未知数、もしくは GuardiaN と比べて未熟かもしれません。
(大事な場面でファインプレーをしてくれるなど、GuardiaN に取って代わる可能性を提示していることは事実です)
しかし、①マップ兵器としてのAWPは GuardiaN よりも上手く使いこなせているでしょう。
そもそも、②武器としてのAWPを扱うだけなら、broky よりも olofmeister や coldzera の方が上手いに決まっています。
実際に、broky 加入時初期は olofmeister が AWP を持つことが多かったです。
しかしそれを踏まえた上でも broky が AWP を持つ理由は、それがチームの勝利のためになるからです。
olofmeister が前衛、broky が後衛に回ることが勝利につながるとチームが判断したからです。
つまり AWPer の動きを見るだけでも、新旧でCS理解の差があることが分かります。
まとめ
以上が新旧における戦術・戦略面の違いと言えるでしょう。
例えばそれが、GuardiaN のアグレッシブAWP、rain や NiKo のラークセンスなどの個性を潰すことになるかもしれませんが、それが普通取ることができるラウンドを落とすことに繋がっていたのは事実でしょう。
そういったラウンドを落とさない工夫、勝率を上げるための工夫がロールの遵守です。
さて、これほどの変化があったなら、今の地位が揺らぐことは間違いないです。
Tiar 1 チーム FaZe Clan は、coldzera、broky といった大きな風を取り入れて世界一になるのか。
はたまた、GuardiaN、karrigan という大きな存在を失って没落してしまうのか。
今後の FaZe Clan の益々の活躍に乞うご期待ですね!
新生FaZe良き。coldzeraのラークとbrokyのAWPが、karrigan、Guardian期よりも機能してる😮 Astralisを下すのはFaZeだね。
— あんぼ🍒ネコミミモード🐈 (@AmboxAmbo) 2020年1月31日
Astralis の敗北に学ぶ、CS理解の重要性
余談パート。ピロートーク。
BLAST Premier: Spring 2020 にて、Astralis は大敗北を喫しました。
しかし試合を見ていると、マップコントロールはしないし、新しいセットに挑戦してるし、まあいつものって感じです。遊んでます。
面白いなと思ったのは、Liquid のセットをいくつかパクってた点でしょうか。
まあそんなことは、ここではどうでもいいです。
この試合から読み取れる大事なことは、Astralis は正面から Natus Vincere と撃ち合うと負けるということです。
BLAST Premier Spring Series 2020 Matches info
いや s1mple と electronic 強すぎィ!
化け物かよ。
つまりこれらの化け物を倒すためには、更なる撃ち合いの強さではなく、CS理解が必要なのです。
これ↓読んだ後にマッチ見てみると、Astralis がどれだけ新しいことに挑戦していたのか分かると思います。
amboxambo.hatenablog.com
vs Natus Vincere in Inferno
Astralis は、もはやこれまで。