T有利マップ Dust2 でのCTの抗い方 -第8章- 広場攻めの抗い方/Bリテイク
これの続き
実はBトン攻めを止めるのはそれほど難しくないです。
B守りの真価が問われるのはB挟みとリテイクにあります。
B周辺コールアウト/用語
B挟み対策
B挟みが強力なのは1章でも述べた通りです。
ではどのように抗えばいいか見ていきましょう。
挟み回避
マップコントロールの考え方があれば誰でもできる手法です。
広場攻めが濃厚ならトンネルに逃げてみるのもアリです。
ESL One Katowice 2015 Fnatic vs. Ninjas in Pyjamas
15ラウンド目 olofmeister, KRIMZ
IEM Katowice 2020 100 Thieves vs. mousesports
10ラウンド目 jkeam
ESL Pro League Season 11 Astralis vs. Vitality
23ラウンド目 apEX, misutaa
UTAGE Japan League Season 4 TeamDWFN vs. MECHA
19ラウンド目 Mermelo
A挟みを回避する手法と考え方と同じですね。
しかし、Bはリテイクが非常に困難なため、B守りの人は1人でも多く敵を減らすことが重要です。
A守りではなるべく死なないことが重要でしたので、考え方が大きく違いますね。
広場戦闘
トンネルに逃げるのと逆です。
ドア/窓で待機することで、挟まれる前に広場に侵入してきた敵を迎え撃つことができます。
また、フラッシュを使うことで有利な状況で撃ち合いをすることができます。
ESL Pro League Season 11 G2 Esports vs. FaZe
3ラウンド目 coldzera
coldzera はサイト内の broky にフラッシュを貰い、ビッグプレイを発生させました。
ELEAGUE Season 1 EnVyUs vs. Fnatic
20ラウンド目 olofmeister, dennis
ESL Pro League Season 4 Ninjas in Pyjamas vs. Astralis
4ラウンド目
まさかの3Bで敵も驚愕でしょう。
複合
上述の2つの手法を同時に行うこともできます。
Bトンに逃げる側の人は、味方のために広場に向かってフラッシュを投げてあげると尚良し。
ESL Pro League Season 8: Finals Natus Vincere vs. Liquid
6ラウンド目 s1mple, Edward
ESL Pro League Season 11 Virtus.pro vs. OG
6ラウンド目 NBK-, ISSAA
UTAGE Japan League Season 2 Absolute vs. Ignis
24ラウンド目 takej, Laz
互いにカバーできないのでトレードキルは狙えないですが、共に強いポジから迎え撃てるので、B挟みの対処として有効的です。
CTベース
CTベースからも戦闘に参加することができます。
実は広場攻め用のスモークは完全に射線を遮断することができず、CTベースの様々な場所から撃たれます。
ESL Pro League Season 11 OG vs. G2
3ラウンド目 mantuu
スモークの左からスッと抜けています。
戦闘はしてませんが、CTで守る例として良い瞬間が映っていたので載せておきます。
ESL Pro League Season 9 Final G2 vs. Liquid
4ラウンド目 Lucky
スモークの右からスッと抜けています。
ESL Pro League Season 11 Final Liquid vs. Evil Geniuses
19ラウンド目 tarik
左側の箱にはブーストで乗ることができます。
意外と頭が出てる範囲が多いので、テロリストがCTベースから撃たれた場合はここを決め打ちされることが多いです。
ちなみに stanislaw もAのエレメントから広場を見ています。
たまにスモークを焚かずに無音で攻める敵がいるので、そういった相手に刺さります。
ESL Pro League Season 11 Astralis vs. OG
5ラウンド目 Aleksib
右側の箱はジャンプで乗ることができます。
また、フラッシュで広場に圧力をかけることもできます。
ESL Pro League Season 11 Astralis vs. Fnatic
10ラウンド目 Xyp9x
逆挟み
窓・ドアとCTベースからピークすることで、逆に相手を挟み返すことができます。
IEM San Jose 2015 Natus Vincere vs. Team SoloMid
5ラウンド目
ドア:device、窓:dupreeh でダブルピーク
その後、遅れて Xyp9x がCTベースからピークし、相手を挟み返しています。
ESL Pro League Season 4 Cloud9 vs. SK
20ラウンド目
ドア:autimatic
CTベース:Skadoodle, n0thing
ピストルでなければ容易に撃ち勝っていたことでしょう。
まとめ
B挟みは強力だが、迎え撃つことのできる場所は多い。
自分の得意な場所を見つけてみよう!
リテイク
Bのリテイクは、恐らくCS史上最難関です!
理由の1つとして、隠れられるオブジェクトが無限にあることが挙げられます。
(恐らくテロリストが10人いても、全員が強ポジに入ることができると思います)
つまり、テロリスト側からピークしてくれないと敵の位置を把握できないのです。
ESL Pro League Season 11 Liquid vs Evil Geniuses
20ラウンド目 Brehze
ノーヒントリテイク。
Brehze は敵2人の位置を全く把握できていません。
ゆえに
・敵を炙り出すための焼夷グレネード
・誘き出された敵をブラインドさせるフラッシュ
・確実にキルするためのダブルピーク
などは非常に重要です。
ESL One: Road to Rio G2 vs. FaZe
25ラウンド目
ステージの箱裏を燃やし、kennyS, JaCkz がフラッシュを投げ、AmaNEk と huNter- がダブルピークしています。
ECS Season 2 GODSENT vs. Ninjas in Pyjamas
11ラウンド目
GeT_RiGhT が侵入用のスモークを炊き、ステージを燃やし、全員がフラッシュを投げてサイトに侵入します。
ELEAGUE Major: Atlanta 2017 Fnatic vs. mousesports
26ラウンド目
olofmeister が侵入用のスモークを炊き、ステージを燃やし、disco doplan のフラッシュでトリプルピークします。
UTAGE Japan League Season 4 Team DWFN vs MECHA
4ラウンド目
サイト内とクローゼットを燃やし、フラッシュを投げて窓からピークしています。
ESL Pro League Season 11 Final Fnatic vs. mousesports
4ラウンド目
設置で無防備になるタイミングでトリプルピークをしています。
ESL Pro League Season 11 Final Liquid vs Evil Geniuses
19ラウンド目
Twistzz のミススモークを利用して、ドアからダブルピークしています。
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. Fnatic
8ラウンド目 flusha
リテイクではないですが、999999999無量大数IQプレイだったので載せておきます。
flusha は s1mple をキルした後、クローゼットの flamie と戦闘せずにすぐ引きます。
そして後続の Golden と足並みを合わせて、再びピークします。
HPが少ないので、自身が釣り役になっているのもポイント。
いや天才でしょ。これがパッとできるのが、さすが歴戦のレジェンド。
Ignis の Hornet 氏による Bリテイク解説動画
投げ物を上手く使うことで勝率を上げることが出来ます。
サイト内とステージを燃やし、フラッシュで poem と RIPablo がピークします。
本来なら武器セーブを余儀なくされる大逆境なのですが、マッチポイントなので行かざるを得ない状況でした。
大失敗例
ESL Pro League Season 11 Liquid vs Evil Geniuses
7ラウンド目
人数差はあれども、相手はエコ、4人ローヘルスの状況で敗北。
NAF は焼夷グレネードがあったのにも関わらず、それを有効的に使えませんでした。
結果、燃やした場所の跡地にいた tarik によってクラッチされてしまいます。
本質
さて、あなたが Dust 2 のBリテイクをしたことがあるならば、ここである1つの疑問が浮かぶはずです。
「Bリテイク時に投げ物なんて残ってねえよ!!!!」
いやその通りです。それゆえに本質。
つまり、相手が本命Bであった場合、A守りは如何に投げ物を温存できるか がBリテイクの本質であると言えます。
一番上の G2 の例では、ラッシュされたので投げ物を浪費する余地がありません。
ゆえに全員が投げ物をふんだんに余らせていました。
では Ignis の例ではなぜ焼夷グレネードが2個もあったのでしょうか?
ラウンドの最初から見てみましょう。
ESL One Rio 2020 East Asia Closed Qualifier Ignis vs. MVP PK
28ラウンド目
初手〜1:30
敵のロングラッシュがないことを確認したのち、ショート配置へと切り返します。
1:20
ショート配置完了
0:55
敵がBトンスタンダードスモークを投げる。
0:50
敵が広場にスモークを投げる。
この時点でショートが完全に取れているので、敵の本命はB確定。
0:40
B攻め。
ここまで見れば分かるでしょうが、敵がB攻めに時間を費やしてくれたおかげでマップコントロールが完了しており、A側はロングラッシュを止めるため以外に焼夷グレネードを使う余地がないです。
つまりこのラウンドの勝因は、Bリテイクの要因よりもAで如何に投げ物を温存できたかが非常に大きいと言えます。
また、MVP PK からの視点で省みると、Bリテイクで負けたというよりA側で投げ物を使わせられなかったことが戦略的な敗北要因だと言えるでしょう。
トンネル
ここまで読んだならば、なぜリテイク時にトンネルが使われないのか理解できるでしょうか。
CT側からのフラッシュ → ダブルピークができないトンネルからの侵攻はあまりメリットを感じません。
トンネルを取ったが、リテイクに何も役立てられなかった例
IEM Katowice 2016 Fnatic vs. mousesports
17ラウンド目
武器差があったとは言えども、人数有利の状態で勝利することができませんでした。
ESL One: Road to Rio FaZe vs. G2
18ラウンド目
nexaもB攻めに対してしっかり1キル取っているので、ここまで何も問題はなかったはずです。問題はリテイクの場面です。ここでAmaNEkはトンネルに行ってしまったため、CT側のkennySとカバーし合えずにあっさり死にます。そしてkennySは無理難題な1on2で敗北します。
— あんぼ🍒 (@AmboxAmbo) 2020年5月16日
もしAmaNEkがCT側からリテイクしていれば、フラッシュも持っていたのでkennySとダブルピークができ、サイトのcoldzeraを挟み込んで殺し、そして片方が死んだとしてもラストbrokyとの有利な状況で1on1に挑めたでしょう。(中設置だったのでおそらく勝っていた)
— あんぼ🍒 (@AmboxAmbo) 2020年5月16日
しかし、以下のようにTベースで大名行列している場合は別です。
ESL Pro League Season 11 Complexity vs. forZe
24ラウンド目
ちなみにラスト blameF の位置が分からない時、ヘルスの少ない Jerry が斥候で突っ込み、位置を確定させた後は残った3人で足並み揃えてトリプルピークしています。
他には、5 on 3シチュエーションの圧倒的人数有利状況下で、サイトを挟んで確実にラウンドを取りたい場合
IEM Katowice 2016 Natus Vincere vs. Fnatic
9ラウンド目
ちなみにB挟みラッシュだったため、A側は焼夷グレネードを余らせていました。
Aロング守備マンが逆プッシュでハイミッドやTベースを取り、なし崩しにトンネルからリテイクする場合
ESL Pro League Season 11 Final Liquid vs Evil Geniuses
27ラウンド目 Brehze
ラスト EliGE に対してダブルピークしていますね。
30ラウンド目 Brehze
場所がバレた後はさすがに切り返しています。
IEM Katowice 2020 MAD Lions vs. Evil Geniuses
26ラウンド目 Brehze
StarSeries i-League Season 8 Evil Geniuses vs. Fnatic
9ラウンド目 Brehze
ESL Pro League Season 10 Evil Geniuses vs. vs eUnited
11ラウンド目 Brehze
Brehze はよくトンネルからリテイクする印象ですね。
HLTV Top 20 players of 2019 で8位(ライフラーでは実質5位)の実力を持っているならば、このような個人行動も頷けます。
しかし基本的にはLTに行く機会があっても、以下のようにCT側から侵攻するのを推奨します。
ESL Pro League Season 11 OG vs. Fnatic
2ラウンド目
LTに行く機会があった KRIMZ はMP9のレンジを生かすため、flusha は焼夷グレネードを持っていたため、共にCT側からリテイクします。
そして flusha がステージを燃やして奥に隠れていた NBK- を仕留め、最後はトリプルピークで残った敵を仕留めます。
クローゼットが怖い
なぜクローゼットのラスト1人に対してこんなにも慎重なのかと言うと、クローゼットは隠れられるため、人数差があってもワンチャンがあるからです。
ESL One Cologne 2015 Fnatic vs. EnVyUS
22ラウンド目 KRIMZ
ドアから入った2人はサイト側へ意識が向いており、3人目はAWPを外してしまったため、ビッグフラグを取られてしまいました。
ESL Pro League Season 9 MIBR vs. Liquid
19ラウンド目 Twistzz
HLTV.org's Top 20 players of 2019 にも載っている、あまりにも有名なシーン。
Twistzz はピークする際に左へ移動して隠れ、右に移動して隠れ、敵のエイムをずらしながら3キルをもぎ取り、最後 felps との撃ち合いも箱上に乗ってエイムをずらしています。
ESL One Cologne 2015 Kinguin vs. PENTA
22ラウンド目 rain
2人目との戦闘の際、しゃがみ↔︎しゃがみ解除を繰り返して敵のエイムをずらし、最後 tabseN との撃ち合いも箱上に乗ってエイムをずらしています。
まとめ
A側の投げ物の温存が大事。
リテイクではダブルピークが使えないからトンネルは使わない方がいい。
次 最終配置 完結編