Ambo consists of Ambox

ゲームと音楽について雑記

T有利マップ Dust2 でのCTの抗い方 -第9章- 理想の最終配置

これの続き 

amboxambo.hatenablog.com

 

 

  

この章では単なるまとめ・総括に留まらず、指揮官が存在する5人パーティ(いわゆるチーム)における総合的な守り方最終配置などをテロリストの目線を交えながら述べていきたいと思います。 

 

 

 

 

 

マップ理解

  

クイズ1

 

唐突ですがクイズです。

Dust 2 において、一番重要な拠点(サイト以外)はどこでしょうか?

f:id:amboxambo:20200516054220g:plain

 

 

元 Updraft の EROC 氏による解答 

 

 

超重要拠点、あります? 

もうAロンですね。Aロン取れば勝てます。T側に関しては。(中略)ただCT側に関してはAロン取れても勝てないマップなので。このマップって圧倒的にT側有利なので。CTは何かしら自分達から能動的に動かないと勝てないので。

 

正解はロングです。

この記事をここまで読んだ貴方ならば当然分かりましたよね?

 

CT側は相手にロングラッシュを許してはいけないからこそ、初手ロング集中配置のような尖ったセットアップが存在するのです。

 

 

クイズ2

 

では次のクイズです。

初手ロング集中配置を取ってくるCTに対して、Tはどのように攻めればいいのでしょうか?

f:id:amboxambo:20200516054220g:plain f:id:amboxambo:20200516054220g:plain

 

これは指揮構想によって解答が分かれることでしょう。

 

 

①「初手ロングで戦う」と答えた貴方

 

正解!

 

ロングでの撃ち合いに勝ってしまえば、ロングを取れる上に相手の人数を削れるので、そのラウンドはもう勝ち同然です。

撃ち合いを重視する場合は、青コンに入るよりもピットやロングへ凸る方が強い場合もあります。

 

 

ECS Season2 Astralis vs. GODSENT

7ラウンド目 dupreeh

 

11ラウンド目 Kjaerbye

目的に合わせてムーブメントを変えましょう。

 

ただし、青コンより前に出れるのは先頭のみです。

後続が青コンよりも前に出ようとすると、簡単に蜂の巣にされるので注意しましょう。

 

 

また、もしロングの取り合いに敗北してもまだ勝ち筋があることも覚えておきましょう。

 

 

②「後からロングをリテイクすべき」と答えた貴方

 

正解! 

 

相手が固まっている所に無理に突っ込む必要性は特にないですもんね。

Inferno のバナナのように、 相手が投げ物を使い切るのを待ちましょう。

  

ただしピットは非常に怖いので、ピットの対処法・作戦は必ずチームで決めておきましょう。

 

 

 

③「ロング以外が薄いはずなので、ロング以外を攻めるべき」と答えた貴方

 

正解! 

 

例えば初手のショート攻めをするには絶好の機会です。

 

初手B攻めは悪くない選択肢ですが、Aに何もアプローチをしていないとリテイクがキツいので、マップコントロール(最低限ショートを取るだけでもいい)を考えながら攻めていきましょう。

 

 

 

つまるところ、この問いに対しては何を答えても正解です。

f:id:amboxambo:20200516054607p:plainは?

 

それほど Dust2 は圧倒的T有利マップであり、CTがロングを取ったとしてもT目線は勝ちパターンが幾らでも残っているのです。

 

 

ゆえにCTは ロングを取った上 で、ロング攻め・ショート攻め・A挟み・広場攻め・Bトン攻め・B挟みの 6パターン全てを防ぐことのできる柔軟な守り方 が要求されるのです。

 

というわけで、その具体的手法を述べていきましょう。

  

 

最終2-1-2配置

 

先にBから結論を述べておくと、広場攻めを完全に止めるためには広場(B外)に1人、CTに1人待機する必要があるしょう。

しかしBトン攻めにも対応しなければいけないので、B中にも1人必要です。

 

 

 でも最初からこんな配置してしまうとA崩壊待ったなしですよね。

だからA側は初手にリテイク配置を終えてマップコントロールを完了させておく必要があります。

 

 

先に要点を述べておくと、

①初手にアサルト部隊でロングを取る

②ロングが取れたなら、B攻めを迎え撃てる場所までローテする

③AWPer は自由なところでピックを狙う

 

 

では以上の要点に注意していくつか例を見てみましょう。

 

 

最終配置

 

IEM Beijing-Haidian 2019 Astralis vs. FaZe 

11ラウンド目

アサルトの Xyp9x、gla1ve でロングを完全に抑え、device は室外機ラインのAWPポジでピックを狙っています。

2nd AWPer の dupreeh もセンターで虎視眈々とキルを狙っています。

 

その後、ロング取りに参加した Xyp9x はCTベースで広場攻めを待機します。

 

初手

f:id:amboxambo:20200516162156j:plain

 

1:00(2-1-2 完了)

f:id:amboxambo:20200516162549j:plain

 

この一連の流れが、私が提唱する理想の最終配置です。

 

なぜならどの本命攻めに対しても臨機応変に対応できるからです。

Aなら:ピックしつつリテイク配置に移行

Bなら:3人で全力で殲滅

 

ただし注意すべきなのは、この配置を取れたからといって勝てるわけではありません!

圧倒的Tマップだからこそこの配置でようやく五分五分(もしくはまだ劣勢)なのです。

 

 

 

 

ESL One: Road to Rio - Europe mousesports vs. G2

29ラウンド目

karrigan と frozen のアサルト部隊でロングを取り、chrisJ と woxic の2AWPがセンターでキルを狙います。

敵の初手B攻めフェイクで揺さぶられてしまいましたが、最終的には2-1-2で落ち着きます。

 

 

初手

f:id:amboxambo:20200516195835j:plain

 

1:10(2-1-2 完了)

f:id:amboxambo:20200516200443j:plain

 

 

AWPer が積極的にキルを狙わない例

 

ELEAGUE Season 2 FaZe vs. GODSENT

21ラウンド目

AWPer の allu はロングでエリア確保に努めています。

初手ロング取りに参加した rain は、CTベースで広場攻めの敵を殲滅しています。

  

 

初手

f:id:amboxambo:20200516171749j:plain

 

1:25(2-1-2 完了)

f:id:amboxambo:20200516172802j:plain

 

 

もし1人削れて4on4になってしまった場合、人数を割くのはBにしましょう。

 

IEM San Jose 2015 Natus Vincere vs. Team SoloMid

21ラウンド目

Edward と Zeus のアサルトでロングを取り、seized と GuardiaN の2AWPでピックを狙います。

 

 

初手

f:id:amboxambo:20200516201635j:plain

 

0:55 (2-1-1 完了)

f:id:amboxambo:20200516201427j:plain

 

  

AWP がない場合

 

ELEAGUE Season 2 SK vs. Dignitas

19ラウンド目

初手はセンター/ショートをガン無視して、ロングを取ることに全力を注いでいます。

その後は2-1-2へ移行しています。

 

 

初手

f:id:amboxambo:20200516164009j:plain

 

1:05(2-1-2 完了)

f:id:amboxambo:20200516164148j:plain

 

 

このように、

①初手ロング集中配置

②2-1-2配置に移行する

 

という手法はどんな攻めにも臨機応変に対応できるセットアップだと言えるでしょう。

 

 

余談

初手2-1-2セットアップとは全く違ったものです。

違いはこの動画を見れば分かるでしょう。

 

 

 

2-1-2偽装

 

CTはこの2-1-2配置がスタンダードなため、レベルの高いテロリストなら配置を容易に読むことができます。

例:CTベースに誰かいると分かった瞬間にA攻め(A2だから)

 

そこでCT側が取るべき手段として、2-1-2偽装が用いられることがあります。

 

 

ESL Pro League Season 11: North America Liquid vs Evil Geniuses

28ラウンド目

初手は通常通りロングを取り、AWP で1ピックを狙います。

注目すべきなのは、最終配置時の tarik の位置です!

 

 

初手

f:id:amboxambo:20200516163314j:plain

 

1:20

f:id:amboxambo:20200516163526j:plain

 

Liquid はA本命攻めするまで tarik の存在を確認することができず、グースに潜んでいた tarik によって一掃されてしまいます。

 

この推移だけ見ると半ば賭け配置のようにも見えますが、そこに到るまでには敵にAにいきたいと思わせる小細工があるのです。

 

 

動画が上の方に行ってしまったので、再喝。 

1:37、tarik がCT坂からショートの奥目にモロトフを投げます。

1:26、stenislaw がセンターのドアにモロトフを投げます。

1:21、EliGE がショートを取る

 

このことから、Liquid は敵の配置がショートをガン無視しているロングリテイク配置且つ、CTベースに2人いた時間帯があったという情報を持っているので、おそらくCTベースでブーストしていたのだろうと容易に予想できます。

 

つまりB挟みは危険。もしB中2だった場合、Bサイトの選手は広場に意識を向けなくていいためBトン攻めも危険

よって Liquid はここで、リスクを取ったB攻めではなく安定のショート攻めを選択したのです。

 

→しかし実際はAサイト内に2人いる殲滅配置。

 

 

 

他には、ロングさえ取れてしまえばB3にすることも可能です。

これも一種のロングリテイク配置・偽装配置ですね。

 

ESL Pro League Season 11 Astralis vs. OG

22ラウンド目

 

 

IEM Katowice 2019 Liquid vs. Natus Vincere

15ラウンド目

 

このように、相手やメタに応じて守り方を変える場合もあります。

 

 

メタの裏を読み合った例

 

DreamHack Masters Spring 2020 Fnatic vs .FaZe

20ラウンド目 

テロリストの JW は、ユーティリティの量から初手ロング集中配置を確認します。

セオリーに従い、そのままBセット

→しかし実際はフェイクで、本命はショート攻め

 

FaZe はBセットにも動じず、このフェイクを読んでいたのかのようにA4で迎え撃ちます。

 

 

こういったメタ過大解釈の上で成り立つ読み合いの話は、ebimayox 氏が事細かく述べているので、興味がある方は是非読んで下さい。

ebimayox.hatenablog.com

 

 

 

 

 

むすび

 

さて、これまで9章に渡って Dust 2 の基礎的な守り方を述べてきましたが、如何でしたでしょうか。

 

Dust 2 は本当にエイムマップなのでしょうか?

否、マップが単純だからこそ、多くのCS理解・マップ理解を必要とする立ち回りマップだと言えるでしょう。

 

だからこそ Dust 2 の経験が少ないプレイヤーは、どうしてもエイムに頼る戦い方しか知らず、「D2はエイムマップだ、クソだ」と悪態を吐いて Dust 2 から逃げるのです。

 

#D2から逃げるな 

この記事を見てちょっとでも D2 に興味を持ってくれたなら、友達とD2で遊んで欲しいな!

 

 

何か追記したほうがいいこと、リンク切れ、反論等ありましたらお知らせ下さい。

D2をマッププールから外さんといてくれ〜><