T有利マップ Dust2 でのCTの抗い方 -第5章- マップコントロール
これの続き
サイト内での戦闘方法を述べる前に、敵の本命を確定させ、サイト本攻めに対して守りやすくする手法(マップコントロール)を先に提案します。
至極真っ当なことを言うと、AでなければBだし、BでなければAです。
機会があれば積極的にプッシュしましょう。
マップコントロール
Dust 2 のCTにおいて、恐らく一番使われる手法です!
必ず覚えておきましょう。
本命を確定
どこかに強いアクションがかかったら、そこから遠い場所はプッシュしましょう。
ESL One: Katowice 2015 Fnatic vs. Ninjas in Pyjamas
22ラウンド目 f0rest, Xizt
ショートにアクションがかかったのでBトンを取りますが、思わぬところに爆弾がありました。
IEM Beijing 2019 Astralis vs. FaZe
6ラウンド目 gla1ve
ショートとロングを取られたのでB側を大きく取ります。
結果、停滞していた敵の後ろを取ることができました。
ESL Pro League Season 11 Astralis UNIBET vs. OG
8ラウンド目 Aleksib, ISSAA
ロングを取られたので、Aleksib がショート、ISSAA がBトンを詰めて、本命ロングを確定させました。
IEM Katowice 2020 100 Thieves vs. mousesports
15ラウンド目 jkaem
ショートとセンターにアクションがかかったのでBトンを取ります。
結果、孤立した爆弾を有利な位置から迎え撃つことができました。
IEM Katowice 2020 Fnatic vs. G2
23ラウンド目 nexa, huNter-
広場にアクションがかかったので、Bトンとショートを取ります。
ESL Pro League Season 11 Fnatic Rivalry vs. mousesports
16ラウンド目 woxic
Bラッシュだったので、B挟みを警戒してセンターラインを取りますが、思わぬところに爆弾がありました。
ESL Pro League Season 11 G2 vs. OG
13ラウンド目 valde
valde は敵がロングから引いた音を聞いているので、ロングをプッシュします。
結果、敵の後ろを取ってプレッシャーを与え続けました。
終盤にプッシュ
情報がなくて敵の本命が分からない場合、情報を取りに思い切ってプッシュしましょう。
StarLadder Minor 2019 Ignis vs Absolute
27ラウンド目 Laz, takej
ショートが取れているので、本命はロング or B
→Laz と takej の2人でBを取って本命ロングを確定させました。
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. FaZe
6ラウンド目 coldzera
どこも取れてなくて情報がないのでBトンを取ります。
結果、無防備だった爆弾と出会しました。
IEM Katowice 2020 G2 vs. Natus Vincere
5ラウンド目 huNter-
ロングが取れているので、本命はショート or B
→Bトンを取って本命ショートを確定させました。
ただし、練度の高いチーム相手には通用しない場合があります。
ESL Pro League Season 10 Finals Astralis vs. G2 Esports
23ラウンド目 Magisk
ロングを取られたのでBトンを取りに行きますが、Tベースに詰め待ちのラーカーがいました。
ESL One: Road to Rio Dignitas vs. Fnatic
26ラウンド目 flusha
上同。
ECS Season 2 GODSENT vs. Ninjas in Pyjamas
22ラウンド目
ロングを取られたのでショートを取りに行きますが、敵の大軍に待ち構えられていました。
マップコントロールのプッシュはあくまで初手の状況不利をひっくり返す手段なので、主導権はT側にあります。
詰め待ちに狩られてしまった場合は素直に諦めましょう。
武器差
ピストルやsmgを持っている場合、待っていてはAKに勝てないので、強気に勝負を仕掛けるのもアリです。
毎ラウンドM4 + AWPを買えるわけではないので、この手法は必ず知っておきましょう!
T有利の状況を覆せなければ、この手法が一番多く用いられることでしょう。
ピストル
ESL One Cologne 2015 Fnatic vs. EnVyUS
14ラウンド目
B逆ラッシュ
28ラウンド目
A逆ラッシュ
IEM Katowice 2020 Virtus.pro vs. MAD Lions
3ラウンド目
センター逆ラッシュ
ESL Pro League Odense Finals 2018 Natus Vincere vs. Liquid
4ラウンド目 Edward
ロングを取られたので、LTを取ります。
ESL Pro League Season 11 Liquid vs. Evil Geniuses
13ラウンド目
侵攻中の敵の後ろを取って挟撃できました。
17ラウンド目
組織的にBトンとセンターを取って、本命ロングを確定させました。
SMG
GGC2019 SCARZ vs. Ignis
19ラウンド目 RIPablo
RIPablo がsmgを持っているので、彼がエントリーとしてBトンをプッシュします。
IEM Katowice 2020 Fnatic vs. G2
25ラウンド目 huNter-, AmaNEk
B側の2人がUMP-45を持っているので、強気に勝負を仕掛けます。
ESL One: Road to Rio Dignitas vs. Fnatic
18ラウンド目 Xizt
Xizt がsmgを持っているので、彼がエントリーとしてBトンをゆっくりプッシュします。
EPICENTER 2018 Natus Vincere vs. FaZe
9ラウンド目 GuardiaN
GuardiaN がsmgを持っているのでLTをプッシュし、それを olofmeister が上からカバーします。
ELEAGUE Season 1 EnVyUs vs. Fnatic
18ラウンド目 flusha, dennis
smgを持っている flusha がハイミッド、dennis がLTをプッシュします。
アンチエコ
1章、2章で述べたように、Dust 2 のTにおいて投げ物は非常に重要です。
つまりTがエコで投げ物が足りない場合、CTは武器を取られることを恐れずに敵を削りにいきましょう。
IEM Beijing 2019 Astralis vs. FaZe
7ラウンド目 gla1ve
おそらくAセット or 広場攻めしようとしていた相手を前目で迎え撃ち、敵のスモーク2個を全て抱え落ちさせて、作戦を未然に防ぎました。
IEM Katowice 2020 G2 vs. Liquid
6ラウンド目 huNter-
アーマーがない敵をMP9が生きるレンジでしばいています。
IEM Katowice 2020 MAD Lions vs. Evil Geniuses
12ラウンド目
Tがやりたいことを全て封じ込めています。
このように敵の本命が分からない場合、もしくは武器差がある場合、情報を取るために積極的にプッシュしてみましょう。
リテイク配置
上述のマップコントロールを戦略的に応用させると、必然的にリテイク配置を取ることになります。
ロングリテイク配置
ロングさえ取れていれば、Aのリテイクの難易度はそれほど高くはないです。
なぜなら、ロング設置を回避できる上にリテイクでAサイトを挟撃することができるからです。
ESL One: Katowice 2015 Ninjas in Pyjamas vs. Team SoloMid
23ラウンド目
allu がショートの敵を視認後、すぐロングの車前まで引きます。
そして1ピック後はピットまで引いてリテイクに備えます。
ESL Pro League Season 9 G2 vs. Liquid
6ラウンド目
AWPerの kennyS が死んでしまったため、ショートは完全に捨ててリテイクに備えています。
StarLadder Major Berlin 2019 AVANGAR vs. Astralis
14ラウンド目
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. FaZe 1試合目
7ラウンド目
既に人数差があるので、Aサイトで無理に抗わずにリテイクで勝負しています。
IEM Katowice 2020 MAD Lions vs. Evil Geniuses
25ラウンド目
28ラウンド目
IEM Katowice 2020 G2 vs. mousesports
26ラウンド目
このようにロングが取れている場合は、無理にショート攻めに抗う必要はありません。
ただし、設置までに1ピックできなかったり、ロングに練度の高いラーカーが潜んでいた場合は失敗することでしょう。
IEM Katowice 2020 Liquid vs. Evil Geniuses
24ラウンド目
ロングが完全に取れていない + 敵の人数が多すぎたため、リテイクが成功しませんでした。
必ずしもリテイク配置が優位というわけではないでしょう。
ショートリテイク配置
ロングではなくショートを取り切るのも悪くないです。
4章で述べたように様々な手法を用いてショートを取りましょう。
ちなみに、ロングが取れているのにも関わらずわざわざショートを取りに行く例もあるので、自分のプレイスタイルに合ったムーブメントを真似していきましょう。
IEM Katowice 2020 MAD Lions vs. Evil Geniuses
18ラウンド目
ショートが取れていればサイトを簡単に燃やすことができます。
リテイクではAセットで攻めています。
IEM Katowice 2020 100 Thieves vs. mousesports
5ラウンド目
ロングにアクションがないのでショートプッシュ
→しかし実は本命ロング
IEM Katowice 2020 Evil Geniuses vs. 100 Thieves
15ラウンド目
ロングにアクションがないのでショートプッシュ
→ショートに敵が多そうなので、切り返してロングプッシュ
→孤立していた爆弾をキル
24ラウンド目
ロングで1stピックに成功
→すぐ切り返してショートプッシュ
→孤立していた敵をキル
IEM Katowice 2020 G2 vs. Natus Vincere
29ラウンド目
ESL Pro League Season 4 Cloud9 vs. SK Gaming
6ラウンド目
エコ。Fallen の伝説のクラッチが見れます。
このように、A守りでは本命攻めされる前にどこか場所を取ってマップコントロールすることが非常に重要です。
なぜなら、マップコントロールをしないとA挟みを防げないからです。
プロレベルの試合ではA挟みを防ぐのがメタなので、A挟み自体が多く見られず効果が実感しにくいですが、MMレベルの試合にはメタはないので、効果を体感できるはずです。
次↓ A守りの具体的手法