T有利マップ Dust 2 でのCTの抗い方 -第2章- アグレッシブAWP
これの続き
スモークを使わない敵
まずCT守りにおける大前提を先に述べておきます。
それは、基本的なスモークすら投げてこない相手は簡単にねじ伏せられるという話です。
例えばこういったもの。
ロングスモーク
X-BOX スモーク
Bトンスモーク
色々なAセット
なぜこれらが使用されないとイージーなのかというと、Dust 2 のCTおいて恐ろしいことが、
①敵が侵入したか否かが分からない
②敵が一気に侵入してくる
この2点だからです。
Tはこのスモークさえあれば、気付かれることなくサイトや重要なポイントまで詰めることができます。
逆にCTは敵が侵入してきたかどうかを確かめる + 1ピックを狙うために、遮蔽物から体を出してオーバーピークする必要があります。
で、この無防備な瞬間にフラッシュを投げられると、ほぼ避けることができないため、気付いた時には死んでいます。
(投げ物に動じず隠れてた場合は、隠れている場所に敵が一気に詰め込んでくるため、呆気なく敗北することでしょう)
1章でも述べた例
IEM Katowice 2020 Evil Geniuses vs. 100 Thieves
27ラウンド目
CeRq はピックを狙おうとしましたが、敵を見ることなくキルされています。
逆にスモークが無いとTは狭い場所から出てくる無防備な瞬間を晒すことになり、CTは侵入口を抑えるだけで済みます。
例
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. Liquid
20ラウンド目 s1mple
25ラウンド目 electronic
IEM Katowice 2020 mousesports vs. Tyloo
6ラウンド目 xeta
IEM Katowice 2020 Renegades vs. Fnaric
10ラウンド目 Brollan
ESL Pro League Season 4 Cloud9 vs. EchoFox
26ラウンド目 Stewie2k
CT側はフォースバイする場面ゆえにアサルトなどの遠距離武器がないため、T側はスモークを炊く必要がないと判断したのでしょうが、その心理の裏をかいた Stewie2k のスカウトがぶっ刺さってしまいました。
守り側にとってこれほど楽にキルできることはないですよね。
私がここから提案する手法を遂行するためには、この甘えた素ピークをキルできるエイムだけで十分です!
つまりこれだけの実力があるならば、この記事を読めば必ず上手くなります!!
→これが私が Dust 2 が一番簡単だと主張する所以。
まあプロは素ピークをほとんどやらないので、逆に素ピークを用いるとミスを誘発する恐れがあるのですが・・・
ESL Pro League Season 11 Virtus.pro vs. OG
25ラウンド目 buster
このようなメタ曲解・読み合いレベルの話はここでは述べません。
あくまで基礎的なことを羅列し、大きな負け筋を消して勝率を上げる手法を提案します。
追記
配置の読み合いは9章で少し触れます。
AWP
ワンチャンのAWP
このゲームはAWPが一番強いので、Dust 2 のようにロングレンジが多い割に遮蔽物が無いマップでは誰でも最大限のポテンシャルを発揮させることができます。
(逆に Inferno のようにショートレンジが多いマップは立ち回りが非常に難しいですね)
これは自論ですが、アーマー+M4で撃ち負けている場合、立ち回りを改善するよりも裸AWPを使う方が勝率が上がると思います。知らんけど。
IEM Beijing-Haidian 2019 Astralis vs. FaZe
8ラウンド目
B側が2AWPですね。
ELEAGUE Season 2 FaZe vs. GODSENT
23ラウンド目
センターが2AWPですね。
このように、稀ですがプロでも同じ場所に2AWP配置を取る場合があります。
Dust 2 の具体的な守り方を知らない場合は、5AWPが最も勝率の高い手法ではないでしょうか。いや流石に大嘘かも。
ラッシュ止めれないなら、ゲイガンとか Negev とかも使っていいよ。
AWP で形勢逆転した例
UTAGE Japan League Season 4 Ignis vs. team entry
10ラウンド目
初手ロングラッシュに敗北し人数差をつけられたものの、2AWPで形成逆転しました。
ESL Pro League Season 11 Astralis vs. Vitality
15ラウンド目 device
Vitality が投げ物を使わなかった(お金がなかった)ため、サイト内の device を無防備にすることができず、エースを取られてしまいました。
ESL One: Road to Rio Fnatic vs. Vitality
11ラウンド目 shox
リテイク時に焼夷グレネードがサイト内に入らなかったため、shox に隠れることを許してしまい、ワンチャンを四度与えてしまいました。
BLAST Premier: Spring 2020 Astralis vs. Complexity
5ラウンド目 dupreeh
BLAST Pro Series Madrid 2019 Astralis vs. Natus Vincere
27ラウンド目 dupreeh
このように通常なら憤死の状況でも、AWPならワンチャンを狙うことができます。
加えて、敵が一気に侵入してくる ことを防ぐために、サイトより前で一人ずつ狩ることが非常に重要です。
よって、待ちのAWPよりも前目でファーストピックを狙うアグレッシブAWPの方が強いです。
アグレッシブAWP
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. Liquid
6ラウンド目 Stewie2K
最速でショートを駆け上がり、キルを取った後は徐々にサイト内まで下がりました。
ESL Pro League Odense 2018 Natus Vincere vs. Liquid
4ラウンド目 s1mple
ショートを徐々に詰め、キルを取った後はすぐに引いています。
ESL Pro League Season 11 Astralis UNIBET vs. OG
8ラウンド目 mantuu
PGL Season 1 Final Fnatic vs. Team SoloMid
8ラウンド目 JW
プロのバニホ。これは例外。意味不明。
ECS Season 2 GODSENT vs. Ninjas in Pyjamas
19ラウンド目 JW
これも意味不明。強すぎ。
マネー的に敵がAWPを持っていないのが分かっているので、センターをアグレッシブに攻めています。
ESL ESEA Pro League Invitational Fnatic vs. Team SoloMid
15ラウンド目 JW
???????
また、あまり推奨しませんがハイミッドを詰めることも可能です。
ESL One Cologne 2015 Fnatic vs. EnVyUS
22ラウンド目 kennyS
kennyS がLTから撃たれないためにBトンを詰めているのもポイントですが、Bトンで事故ってしまうと kennyS が引けなくなります。
Bトンを取らなかったから事故った例↓
7ラウンド目
後述する守り方を遂行するためには死なないことが最重要なため、私はこの詰め切る手法は推奨しません。
ESL One: Katowice 2015 Fnatic vs. Ninjas in Pyjamas
2ラウンド目 allu
allu は会敵しそうなギリギリのところまで攻め、すぐ引いています。
(グレを投げて最速ショート詰めしているという情報をわざと敵に与え、しかし実際はロング詰め配置というフェイク行為との見解もできるが、後のNiPの守り方を見るとその線はないように見える)
このように、死なないプレイもできるよう鋭意努力しましょう。
また、こう着状態になった際、AWPerが先陣を切って詰めるのも有効です。
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. FaZe
7ラウンド目 coldzera
人数差を作ったため、その後の守りが楽になりました。
補足
Absolute の crow 氏が同様のことを言っている動画
ファーストキル取りに行く動きがね CTはね結構いいかも。ファーストキル取って引く。
あくまで 初手にファーストキルを取って人数差を作るための「詰め」 です。
敵の本隊をしばく場ではないです。
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. FaZe
13ラウンド目 NiKo
AWP のピークによって1キル + ショートが厚そうという情報を手に入れることができましたが、その情報を活かす配置を取れなかったため敗北しました。
IEM Katowice 2020 mousesports vs. Tyloo
11ラウンド目 Summer
Summer のピークによって2キル取れたものの、広場を全く警戒できていなかったため敗北しました。
StarLadder Major Berlin 2019 AVANGAR vs. Astralis
12ラウンド目 dupreeh
初手にBトンをクリアリングしたおかげでB挟みを回避できました。
つまり、アグレッシブAWPはその後の守備を楽にするための手法というだけで、結局は守り方を遂行しなければ負けることになります。
では次回からは、具体的な手法を述べていきます。