T有利マップ Dust 2 でのCTの抗い方 -第3章- ロングの抗い方
これの続き
A周辺コールアウト/用語
初手ロングラッシュ対策
ロングラッシュの対策として、プロでよく用いられているセットアップを紹介します。
青箱リテイク
初手に青箱に入ってくる敵に対して圧をかけられるセットアップです。
以前に述べたように生半可に抗ってしまうと返り討ちにあうので、このセットアップを行う際、プロはロング集中配置を取ることが多いです。
GGC2019 Absolute vs. Updraft
3ラウンド目
ロング3人配置です。
青箱とドアを燃やし、敵の退路を断たせています。
そしてフラッシュにも屈せず、全力のモク抜きで敵のラッシュを壊滅させています。
BLAST Pro Series São Paulo 2019 Ninjas in Pyjamas vs. Astralis
8ラウンド目
青箱とドアを燃やし、ユーティリティでダメージを蓄積させ、撃ち合いを有利に働かせました。
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. Fnatic
6ラウンド目
ロング4人配置。
Golden :ピットサイド
flusha:ピット
KRIMZ:対角
を位置取って、全方位からロングを抑えます。
そしてAサイトにいる JW は、AWP でショートを抑えつつ3人をカバーするため後方にフラッシュを投げています。
ピット取り
ピットを取ることを重視するセットアップです。
上の青箱の例では撃ち合いを重視するため、必然的にドア側を向く必要があり、フラッシュを喰らいやすいといったデメリットがあります。
しかしこのセットアップは道中での撃ち合いを避けるため、フラッシュを完全に避けてピットに入ることができます。
ECS Season 6 Astralis vs LDLC
24ラウンド目 Xyp9x
ESL Pro League Season 8 Heroic vs. Astralis
5ラウンド目
初手ロング4人配置です。
なぜ撃ち合いを避けることができるかというと、先頭がピットの前にこういったスモークを焚いているからです。
BLAST Pro Series Istanbul 2018 Astralis vs. MiBR
19ラウンド目
このCTセットアップとTのロングラッシュが噛み合った際、スモークによってこのように混戦が展開され、最低限のキルトレードが生まれやすくなります。
ESL One: Road to Rio FaZe vs. G2
18ラウンド目
超カオス
青箱に圧をかけるセットアップ、ピットを取るセットアップのどちらにも長所短所があるため、好みや敵の傾向に合わせて使い分けましょう。
小技・投げ物
フルパーティで遊ぶならこれらのロングに人数を掛けるプレイイングは行なっていきましょう。
これができるだけでラウンドの勝率がグッと上がること間違いなし。
どうしてもロングラッシュを止められないなら初手ロング5人配置も考慮しましょう。
GGC2019 GROUP STAGE きょんさんおやすみ〜 vs. もひもーひ
14ラウンド目
初手ロング4〜5でも敵にバレることはないのも魅力的です。
隙自語しますが、この試合は私が狂信的なD2ファンになるきっかけを与えてくれた試合です。絶え間なく行われるロングラッシュ、それに対抗するロング5人配置、どちらも己のマップ理解力を最大限まで引き出し、互いにプロでないのにも関わらず最上級の戦いを魅せてくれました。私もこんな試合がしたいです。
また、ロングの戦闘を少し遅らせることで、油断している敵の隙をつくこともできます。
IEM Katowice 2020 Natus Vincere vs. Liquid
20ラウンド目
EPICENTER 2019 Natus Vincere vs. Evil Geniuses
27ラウンド目
フラッシュ1つでできるのが特徴ですが決定力に欠けるため、エコなど投げ物が少ない時に行いましょう。
これらのセットアップを行うためには、日頃から投げ物の練習は必須です。
・走りながらドアに向かって投げる技術
これができたら、ピットに走りつつネードスタックができるようになります。
ESL Pro League Odense Finals 2018 Natus Vincere vs. Liquid
13ラウンド目 Edward
痛い> <;
2個のグレが同時に飛んでいますね。
・柱に当ててドアに投げる技術
・ピットからドアに投げる技術
モロトフでも可能です。
・車からドアに投げる技術
サポーター必見の投げ物です。
これらの投げ物を有効的に使えるならば、MM程度なら楽に止めることができます。
ソロプレイヤーはVC使って頑張って連携取ってください。
初手にロングを固めた際のB攻め
しかし気を付けないといけないことがあります。
T目線、ロングが厚いならすぐBへローテすればいいからです。
ESL One: Road to Rio Astralis vs. Vitality
5ラウンド目
IEM Katowice 2020 G2 vs. Liquid
10ラウンド目
ECS Season 8 Finals Evil Geniuses vs. Liquid
22ラウンド目
間髪入れずにBへ切り返していますね。
つまり、敵がハイレベルであるほどロングで撃ち勝って一安心している暇はないのです。
このように、初手ロング集中配置はロングラッシュを止めるのには有効ですが、他の攻め方には全く無力であるため諸刃の剣なのです。
ゆえに、テロリストがほとんどロングラッシュをしてこない場合は、あまり初手ロング集中配置を用いらない方がいいかもしれません。(要検討事項)
しかし、どのような場合でもロングを取るのは最優先すべき事項なのは知っておきましょう。
↓詳細
ただし、スポーンがとても悪かった場合はこの限りではありません。
Fallen 曰く、
You're gonna first take a look on which spawn you have.
If your teammates is not close to Long like he was spawned here for example was spawned here, you probably won't win the Long fight if they come fast.
意訳:ロングから遠い場所でスポーンした人がロングの戦闘に参加したら勝てないかも〜
つまり「ロング側に近い人がロング取りに参加しろ」ということですが、ロング側に AWPer やBメイン守り役がスポーンしたなら、ロング取りは最適な作戦とは言えません。
これは初手ロング2人配置の場合なので、全ての場合に当てはまるわけではないですが、ロング側に誰一人とスポーンできなければショートブースト(4章)なども考えましょう。
ラッシュではないロング攻め対策
ピットを取る理由
ラッシュではないロング攻めの対処は、ピットを取っていれば至って簡単です。
ピットで無限に時間稼ぎした例
IEM San Jose 2015 Natus Vincere vs. Team SoloMid
10ラウンド目
BLAST Pro Series São Paulo 2019 Ninjas in Pyjamas vs. Astralis
12ラウンド目
ESL Pro League Season 11 Fnatic Rivalry vs. mousesports
13ラウンド目 flusha
PGL Season 1 Final Fnatic vs. Team SoloMid
9ラウンド目 pronax
また、ピットは無限にアングルがあるので、自分の得意なポジでキルを狙いましょう。
プロでもプレイヤーによって様々な場所が使われます。
FaZe olofmeister
Natus Vincere Boombl4
mousesports karrigan
FaZe Bymas
ただし、相手のドア出を見れる場所でじっとしてはいけません!
プリエイムからのヘッドショット1発で簡単に死にます。
ドア出を見るならチラチラピークが最適でしょう。
Fnatic flusha
Vitality RpK
Liquid Twistzz
そしてこれらのポジで1キル取った後は、虎視眈々と2キル目を狙わずになるべく時間稼ぎを行いましょう!
ピットの真骨頂は1キルを取った後に発揮されます。
IEM Katowice 2020 Fnatic vs. G2
21ラウンド目 JaCkz, nexa
まず1キル目、オフアングルからフリーキルを取り、その後すぐピット最奥で張り付きます。
ここで JaCkz が生き残ることで釣り役となり、 JaCkz をキルしようとピットサイドをオーバーピークしてくる敵をカバーにきた nexa が仕留めるのです。
同様の事例
IEM Katowice 2020 G2 vs. Liquid
15ラウンド目 JaCkz, kennyS
IEM Katowice 2020 G2 vs. Natus Vincere
6ラウンド目 JaCkz, kennyS
このようにピットが生き残る限りAサイト側からの一方的なキルが発生し続けます。
エコゆえにA賭け配置を取り、Aサイト側からカバーが無限に湧いてきた例
ESL Pro League Season 10 Finals Liquid vs. Astralis
4ラウンド目 Xyp9x, device, dupreeh
ESL One 2015 Katowice Fnatic vs. Ninjas in Pyjamas
4ラウンド目 flusha, KRIMZ, JW, olofmeister
クロスファイア、釣り・カバーはFPSの基礎に乗っ取っている手法なので、エコでも十分有効です。
ピット以外
もちろんピット以外も用いても良いですが、ピットのように1キル後、逃げれる・生き残れるポジは無いので、ロングをソロで守る場合はあまり推奨はしません。
ただカバー有りなら強いポジばかりなので、マンネリ回避のレパートリーとして覚えておきましょう。
AWP x ドア張り付き
AWP x 対角張り付き
AWP x ピットサイド
AWP x 青箱
ピット x 青箱
IEM Katowice 2020 Renegades vs. Fnatic
3ラウンド目 flusha & JW
武器差を連携でねじ伏せています。
まとめ
このように、ロング攻めの対策には連携が不可欠です。
そしてその連携を最大限に発揮するため、ピットを使うのが最適でしょう。
課題
このようにピットは強力なので、Tは稀にピットを狙い撃ちした作戦を取ることがあります。
ESL Pro League Season 11 Evil Geniuses vs. Liquid
8ラウンド目
ロングにスモークを2つ使い、ピットを確実に潰しています。
ELEAGUE Major: Atlanta 2017 Fnatic vs. mousesports
8ラウンド目
このように、ピットやピットサイドにいた CT は、スモークのせいでサイト側の味方からカバーを貰えませんでした。
もしこのセットをされて孤立してしまったら がんばりましょう。(小並感)
ただし、他の味方はすぐ次の行動に移しましょう。
ハイミッド・Tベース付近に敵が複数いることが分かったのだから、更なる情報を得るためにプッシュしてもいいかもしれないです。(後述)
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