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【VCT Masters】現役アナリストが解説 特に注目すべき選手13選 + おまけ現メタについて個人見解【3/3】

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これの続き 

amboxambo.hatenablog.com

 

 

 

 

 

おまけ 現メタについて個人見解

 

余談パート

ここからは難解な単語を多く使っております。ご了承ください。

 

 

2021年3月まで

 

ところで、VCT Masters Reykjavik の開催が発表された3月時点では世界各地のメタはバラバラでした。

 

レイナ・フェニックスで前目のドッカンバトルを繰り広げていた北アメリ

スキルの合わせ技や変態セットアップを披露し合っていたヨーロッパ

Vision Strikers 構成などと呼ばれるジェットビュンが興隆していたアジア

 

それぞれの地域に独自のメタがあり、それら別メタが衝突し合う世界大会はどんな混沌としたものになるのか、期待に胸を膨らませていた人は多かったはずです。

つまり「世界一決定戦 = どのメタが強いか答え合わせ」とまで言い換えることができました。

 

以下は各地域毎の傾向を表した TPC Rating と、その相関関数を記したシートです。

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指標の難しい説明は吹っ飛ばすとして、重要なのは3月時点までは地域毎にメタが各々異なっている点です。

 

解説

上の表では EU、KR、NA それぞれの TPC Rating(=メタ)を表している。TPC Rating の解説は更に冗長になるので省略。

下の表では EU、KR、NA の相関関係を係数で示しており、値が1に近いほど正の相関関係、-1に近いほど負の相関関係であることを表している。

例えば B9 セルは NA(北アメリカ)と EU(ヨーロッパ)の相関係数を表しており、-0.987... と強い負の相関がある(=メタがほぼ真逆である)ことを示している。

 

 

2021年5月現在

 

しかし時が経って5月、新エージェントアストラの登場と流行によって、全世界のメタが統一されてしまいました。 

以下は5月の各地域毎の TPC Rating です。

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3月では地域毎にバラバラだった TPC Rating が、5月ではほぼ同一の指標を示すよう(=メタが完全に同一)になりました。

 

 

 

ゆえにこの項では「ここの地域はこういう構成が特徴的で、どこの地域と相性が良くて...」とか解説できたら面白いなと思ったのですが、メタが同じなので解説することもなく没になりました。ゆえにおまけパート。

 

 

現メタについて軽く解説 + 今大会で注目すべきチーム

 

 

現メタをひとことで表現すると「セットアップ→サイト内で大激突」です。

ちなみに、この傾向は3月以前の EU とほとんど同じです。 

 

以下は各地域における3月、5月の TPC Rating を比較したシート

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3月の KR、NA は現メタと正の相関性はありません(下表C-D列)が、3月の EU は現メタと強い正の相関性があります(下表 B17 - B23)。

 

この事実をまとめると、全世界の現メタは従来の EU のメタそのものであり、どのチームも EU の土俵で戦わされているのです。

 

 

メタが同じとは言えども、地域やチーム毎に細かな違いはあります。

例えば「セットアップ主体 or ドライピーク主体」「マクロ or ミクロ」「アストラ or オーメン等々

 

しかし現在の主流が「セットアップ→サイト内で大激突」というメタである以上、今大会ではドライピークやフィジカルが持ち味だったチームは力を十分に発揮することができず、逆に旧来よりミクロやセットアップを重視していた EU チームに有利な環境となっているでしょう。

 

よってメタだけの観点で鑑みるならば、今大会は EU の Team Liquid、Fnatic の2チームによる出来レースと捉えることもできます。

 

 

しかし待ってください。VALORANT の本質はシューティングゲームです。

ゆえに自明なことですが、過程はどうであれ5人倒せば勝ちです。

 

先述のように、世界中には撃ち合いモンスターがたくさん存在します。

私は今大会にてメタを破壊する撃ち合いの力を信じてみたいです。

 

 

そんな私が日本代表 Crazy Raccoon 以外で格別に応援しているチームは X10 Esports です。

 

彼らはいち早くアストラを取り入れて EU 式のメタに対応していたものの、マクロを重視したり Icebox でサイファーを採用したりと、EU に染まり切ることなく自らのスタイルを貫いています。

加えて、アジアチームなので親近感もありますね。

 

マジで頑張って欲しいです。

 

 

追記

 ナン...ナンデナン....

 

 

 

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