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【BLAST Pro Series 2019】Astralis は何故 Liquid に勝てたのか -第4章-【Inferno】

これの続き

 

amboxambo.hatenablog.com

 

 

 

 

Liquid が負けた理由

 

せっかくなので、Astralis が勝った理由を考察するだけでなく、Liquid が負けた理由も読み取っていきましょう。

 

 

作戦の目的・目標が共有できていない

端的に言えば 大反省ラウンドです。 

 

 

準決勝8ラウンド目

 

nitr0EliGE がALで溶けてしまい、3on5の状況。

この時点で残った投げ物がスモーク2つ、フラッシュ2つ。

 

この時点から

①残った全員でストレートA

②バナナリテイク→Bセット

③バナナリテイク→A

 

といった様々な選択肢が考えられます。

 

しかし、ここで NAF が1人で突っ込み、相手のリピークに負ける

Twistzz がカバーの準備ができてないのにも関わらずピークし、負ける

→大絶望1on4

 

NAF のプレイスタイルは理解していますが、ここは明らかに博打を打つ状況ではないです。

3on5は劣勢であれど、十分勝てる状況です。

 

それを博打によって「①2on5になって負ける」「②3on4になって勝つ」状況を天秤にかけるのは間違ってます。

 

 

もっと言うならば、この後の勝ち筋を彼らは考えていたのでしょうか?

 

彼らはスモークを2つ余らせています。

これをどこで使う予定だったのでしょうか?

 

スモークを温存し、NAF がASプッシュした状況での勝ち筋が1つあります。

それは、Aでキル → 3on4 (3A-1B) → すぐBセット → 2on3 (3A-0B) → リテイクで頑張ることです。

 

しかし、彼らの中でBへ切り返す選択肢を残していない証拠として、①Twistzz のアパートホールド、②Stewie2K のバナナ放棄 が挙げられます。

つまり、今後行うであろう作戦は「ストレートA攻め」であると読み取れます。

 

 

では3人でストレートA攻めを行う際、1人で先走ってASを前目までプッシュ、もしくはホールドすることは合理的なのでしょうか?

  

必要のないFirstキルを狙って先に誰かが死んでしまう。こういう動きってのは、最終目標に対して本当に必要だったのか考えたほうがいい。

CSGOのマップに関する解説 - FPS爆破講座or雑記

 

この時点で敵のAサイト内守りは3人。

つまり全員で攻めていれば、30〜40%程度の勝機はあったのです。

しかし NAF は5%の勝ちを狙った博打プッシュ、もっと言うならば最善ではない立ち回りを取り、ラウンドを確実な負けへと導いたのです。

 

 

準決勝10ラウンド目

 

4on5でA攻め。

ですが、この攻め方の意図がわかりません。

 

①ASの後ろで TwistzzEliGE はALの詰め待ち

NAF は1人でASをプッシュ

nitr0 はアパート出口にスモークを炊いている

 

全員の行動目標がバラバラです。

 

TwistzzEliGE

2人で詰め待ち = まだ攻め入る準備をしていない。

 

NAF 

1人で密かにプッシュ = そのままの意。バレずに侵攻したかったのだろう。 

 

nitr0

スモークを投げる =攻め入る準備をしている途中。敵に自分の居場所をバラしている。

 

 

これらを鑑みるに、①と②、②と③の行動目標は反しています。

端的に言えば、NAF だけ作戦から逸れた行動を取っているのです。

 

そして NAF の死、nitr0 のアパートスモークなどから、Aに最低2人以上いることがバレます。

Astralis 目線ではバナナが取れているので、現時点でAが本命であることが確定。

Magisk がグレネードを投げ、EliGE に直撃した。

 

Magisk のアパートモク抜きも、単なるスーパープレーではなく、起こるべきして起こったと言えるでしょう。

 

この大事故ラウンドの起点は、リスクある NAF の単独行動のせいです。

 

 

NAF が悪いという話ではありません!!

 

チームメンバー全員が 作戦の意図・目標などの意思疎通ができていない のです。

 

 

準決勝12ラウンド目

 

Bでまだフェイクを行なっている途中なのに、アパートで会敵

Magisk「Bちゃうやん」シュパパパパ 本隊壊滅

 

クソしょうもないです。

 

フェイクの練度の低さはここでは触れないとして、

Stewie2K が死ぬ前にA側でピークするのは、戦術として明らかに間違っています。

 

今後の作戦上、アパートで早漏ピークする必要があったとしても、 そもそもアパートを抑えていないのにフェイクをするのは間違っています。

 

 

これも作戦の意図がチーム全員で共有できていなかった事例と言えます。

 

これがテロリストにおける敗北の原因の1つでしょう。

 

 

あとスタンダードが薄いAstralis と比べて意味のない行動が多いとか色々ありますが、それを考察するとこれだけで万字いきそうなのでやめます。

 

単純に言えば、nitr0 が思い描く勝利像・勝利の方程式・勝ち筋をチーム全員が理解していないということです。

 

 

AWPerの存在感が薄すぎる

 

CSGOで一番強い武器は、間違いなく PP-Bizon AWP です。

つまり、①マップ兵器としてのAWP を上手に扱えるか②武器としてのAWPを上手に扱えるかが重要なのは言うまでもありません。

 

Liquid における AWPer は nitr0 です。(マップによって違いますが)

では果たして、nitr0 は①②を満たしているのでしょうか。

 

①マップ兵器としてのAWP を上手に扱えるか

 

上でも述べましたが、Inferno の CT における AWP の最終防衛線はここです。

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ここでファーストピックを狙い、徐々に引いていきます。

つまり相手が雪崩れ込んできた際、マップ構造的に最低2回はピックのチャンスを作ることができます。

 

これを踏まえて、AのAWPer の動きに注目して以下の2ラウンドを見比べてください。

 

準決勝23ラウンド目(nitr0

画面に写ってないので、マップに注目

 

準決勝6ラウンド目(device

 

決勝15ラウンド目(dupreeh

 

どれも状況は一緒で、A挟みですね。

 

Astralis の AWPer は、挟まれる前に片方をピックする配置を取っているのに対し、Liquid もとい nitr0 は、挟まれた後サイトに侵入してくる敵をピックする配置を取っています。 

→ Astralis は2回ピックするチャンスがあるのに対し、Liquid は1回しかピックできない

 

 

これに関しても統計を取ってみました。

 

nitr0 と device が CT にて AWP を持ったラウンドのK/D調査

 

nitr0

1st キル数:1

1st デス数:1

 

device

1st キル数:3

1st デス数:7

 

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グラフの色が濃いほど、初動でアグレッシブに動いている =ピックを狙おうとしている証拠です。

 

 

つまり LiquidAWP というマップ兵器を有効活用できない配置を取っていると言えるでしょう。

 

 

②武器としてのAWPを上手に扱えるか

 

以下に、現在(2020年2月3日)のランキングトップ10のチームから、一般的に AWPer とされている選手の Rating 2.0 をリストアップしました。

CS:GO Ranking | World Ranking | HLTV.org

 

1. Astralis device: 1.24

2. mousesports woxic: 1.14

3. Liquid nitr0: 0.88

4. Fnatic JW: 1.04

5. Vitality ZywOo: 1.38

6. Evil Geniuses CeRq: 1.05

7. 100 Thieves Gratisfaction: 1.08

8. FaZe broky: 1.04

9. Natus Vincere s1mple: 1.27

10. G2 kennyS: 1.12

 

nitr0 だけ際立って低いのが分かるでしょうか。

 

nitr0下手という話ではありません!

 

上記のように、AWP を有効的に扱う配置を取っていない、そして互いにカバーし合う配置が基本なのも原因の1つであると言えるでしょう。

 

つまり、AWPを持っている時はクロスファイア配置を意識しなくていいということ。

f:id:amboxambo:20200203054509p:plain

 

 

nitr0Liquid の古参メンバーだし、リーダーなので抜けることは無いでしょうが、これ以上の勝利を求めるなら、強力なAWPer の確保、もしくはプレイスタイルの変化はベターの手段となるでしょう。

 

 

散々disってきましたが、私が一番好きな現役の IGL は nitr0 です!

彼のプレイスタイルから溢れ出す、最善を導き出す決断力・状況判断能力の高さには、ただただ感服するばかりです!

 

彼にはとても期待しています!

だからこそ、Astralis を倒すのは Team Liquid であると信じています!

 

 

CTでバナナを取ろう

 

上でも述べましたが、Liquid は バナナを取ることの優先度が低いです。

 

バナナホールド時間の平均

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バナナを取れない → A4-B1にできない → 相手の思う壺

 

なので、バナナを取りましょう。

 

バナナを強く意識する場合でも、EliGE が絡むワンパターンの作戦ばかりなので、AWPを絡ませたり、もっと工夫しましょう。

→ここでも nitr0 がアグレッシブな AWPer ではない弊害

 

 

また、普段からバナナをもぎ取らないので、NAF のこういった釣り行為を見ると、Stewie2K の存在を相手に仄めかすことにも繋がります。

 

決勝17ラウンド目

 

決勝21ラウンド目

 

→普段やってないムーブメントを唐突に見せると、相手は警戒する。

 

 

ここにもスタンダードの概念が無いことの弊害が出ていますね。

 

 

まとめ

 

・TRで無駄な行動が多い

・CTでAWPの存在が薄い

・CTでバナナを取ろう

 

 

 

続き

 

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