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【メタル論 第2回】「メタルである」とは?【リフのユニゾン/ハーモニー編】

 

アンボと申します。普段は作曲をしております。

前回、リフの提示が「ギター主体的」の要素であることは説明しましたが、「ギター主体的」の曲にリフの提示部が絶対あるとは言い切れないです。
あくまで「ギター主体的」であると判断するための1つの要素だと付け加えておきます。
 
さて今回は、そういったリフの提示が無い曲ではどうやって「ギター主体的」であると判断するのか。その方法を述べていきます。
 
それは、ギターリフに【ユニゾンハーモニー】が見られるかどうかです。

 

 

 

 ユニゾン/ハーモニーとは?

ニゾンは、2つ以上の楽器が同じメロディを演奏することです。
ここでは、ギターとは別の楽器がギターと同じリフを演奏しているものを指します。
 
ハーモニーは、主旋律を基にした和声が奏でられることです。
ここでは、ギターリフに対して1つ以上の楽器がハモりを演奏しているものを指します。
 
余談
2本以上のギターが同一のメロディを奏でている場合は、ユニゾンしていると見なしません。
なぜなら、ギターのメンバー数が増えれば増えるほど有利になるからです。当然ギターが増えれば、バンドの指向が「ギター主体的」であると言うことができますが、それはギターリフを重視してるとは一概には言い難いです。
更に、録音・編集技術を使えば、いくらでもギターを無限にオーバーダブすることができます。ギターが2本のバンドでも、音源ではギターが666本鳴っていることなんてよくあります。
以上の理由により、2本以上のギターが同一のメロディを奏でることをユニゾンと捉えるのは、音楽的な本質について議論していないため、思考停止だと思っております。
 
逆に、ハーモニーは増やせば増やすほど主旋律が霞むので、ギターの本数を議論に持ち出すのはナンセンスです。ハーモニーは存在するという事実だけが大事です。故に2本以上のギターで和声を奏でている場合は、ハーモニーしていると見なします。
 
 
なぜユニゾン/ハーモニーが「ギターリフ中心的」の要素であるか説明します。
 
例えば、キーボードはどんな楽器よりも簡単に和音を出すことができますが、その楽器の特性を差し置いてまで、ギターリフとユニゾンしたモノフォニックのフレーズを演奏する場合があります。
例えば、ドラムはリズムキープの役目がありますが、その役割を放棄してまでギターリフとユニゾンしたフレーズを演奏する場合があります。
例えばギターが2本ある時、片方がリフを弾いている裏でもう片方はコードを弾くといった選択肢があるのに、2本ともリフを弾いてハーモニーを奏でる場合があります。
これらは全て「ギターリフを中心として展開する曲」と言うことができるでしょう。
 
ギターリフのユニゾン/ハーモニーがどれだけ重要なことなのか、理解して頂けたでしょうか。
それでは、実際に曲中でどう使われているのか、例を挙げていきます。
 

ニゾン

Led Zeppelin - Immigrant Song

イントロではギターとドラム、ヴァースではギターとベースとドラムのユニゾンが見られます。
ちなみに私は、Led Zeppelin こそが真のメタルの生みの親だと思っています。機会があれば別記事で解説予定。

 

Black Sabbath - Iron Man

0:41〜のヴァースで、ギターとベースとボーカルのユニゾンが見られます。
おそらく、ロックミュージックにおいて、ボーカルがギターリフにユニゾンした例として世界初の曲ではないでしょうか。いや、わからん。適当なこと言ってたら指摘ください。

ちなみに「トニーアイオミがパワーコードを生み出した」は大嘘。1958年には既に使われています。それより前は知らん。

 

・Iron Maiden - Aces High

1:09〜のヴァースで、ギターとボーカルのユニゾンが見られます。
ちなみに私は、Iron Maiden はハードロックだと思っています。機会があれば別記事で解説予定。


Anthrax - Only

1:10〜のプリコーラスで、ギターとボーカルのユニゾンが見られます。

 
Pantera - Walk

1:16〜のコーラスで、メインリフを変化させたギターリフとベースとボーカルのユニゾンが見られます。
ギターリフ中心的ながらも、ギターがボーカルのメロディに歩み寄った稀有な例です。

 
Fear, and Loathing in Las Vegas - Take Me Out!!

イントロで、ギターとベースとキーボードのユニゾンが見られます。
更に1:28〜のキーボードソロの裏で、イントロのリフが【再現】されます。
「ギターリフ中心的な曲」だと言えます。


ニゾンがどういったものか、はっきり分かったでしょうか。
ここではかなり分かりやすい例を挙げましたが、基本的にメタルと呼ばれる曲では、ギターリフとベースがユニゾンする場合がほとんどです。

ちなみに、モダンメタルにおけるブレイクダウンや刻みといったものは、ギターとベースとドラムのユニゾンと捉えることができます。

 

ハーモニー

ハーモニー、通称ハモりは例を挙げなくてもまあ分かると思いますが、一応。


Thin Lizzy - Boys Are Back In Town

1:07〜のコーラスパート後で、ギター2本によるハーモニーが見られます。

  

・Rainbow - A Light in the Black

3:41〜のギター・キーボードソロで、ギターとキーボードによるハーモニーが見られます。

 

Dream Theater - Under A Glass Moon

イントロで、ギターとキーボードの ユニゾンとハーモニーが見られます。
時にはベースやドラムもユニゾンする展開も見られます。
1:29〜のヴァースで、ボーカルもイントロのギターリフを彷彿とさせるメロディを【再現】しており、非常に「ギターリフ中心的な曲」だと言えます。


Dream Theater - Overture 1928

2:50〜のブレイクで、ギターとキーボードによるハーモニーが見られます。
直後に、ギターとキーボードとベースとドラムによるユニゾンも見られます。

 
・As I Lay Dying - Parallels

1:12〜のプリコーラス、1:22〜のコーラスパートで、ギター2本によるハーモニーが見られます。


・Born of Osiris - Machine

1:36〜のギターソロで、ギター2本によるハーモニーが見られます。
0:40〜のコーラスで、ギターとシーケンスによるユニゾンも見られます。


以上がハーモニーの例です。
特に、80年代のHR/HM、メロディック何某メタル、2000年以降のメタルコア、デスコアを内包したジェントといったジャンルでよく見かける印象です。
ってそれほとんどじゃね。書いてて思ったけど。

ちなみに、ユニゾンよりもハモりの方がリフのフィーチャー度が高い気がします。
よって、リフにハーモニーがあるものはよりメタル的であると言えます。

 

ニゾン/ハーモニーが無い場合

では次に、ギターリフがユニゾン/ハーモニー共に見られないパターンを挙げていきます。

 

Ozzy Osbourne - Crazy Train

 

Def Leppard - Photograph

 

イントロはギターリフの提示から始まりますが、このリフにユニゾンする楽器はありません。

 

Van Halen - Hot For Teacher

1:27〜、ギターリフの提示が行われますが、このリフにユニゾンする楽器はありません。

 

・Accept - Metal Heart

リフの提示やユニゾン/ハーモニー共に見られません。

「ギターリフ中心的な曲」とは言えないでしょう。 


・Guns N' Roses - Sweet Child O' Mine

イントロはギターリフの提示から始まりますが、このリフにユニゾンする楽器はありません。
更に1:16〜のコーラスにて、イントロのリフが形を変えて【再現】されますが、ここでもリフにユニゾンする楽器はありません。


ちなみに、私はこういったユニゾン/ハーモニーが見られない楽曲のことを

【ベースライン主体的】と呼んでいます。

「ベースライン主体的」とは、ベースがリフを弾かず、ベースがリズム隊として本来の役割であるルートやコードの構成音を弾くことを指します。
対して「ギター主体的」でのベースは、ギターのリフを更に引き出させるため、ギターとユニゾンして弾かれることが多いです。

 

ギターがハイフレットでメロディを弾いていたり、ギターが2本以上でハモりを弾いている場合はこの限りではありません。
以下が例です。

 

・Iron Maiden - The Trooper

 

Judas Priest - The Hellion

 

Helloween - I Want Out

 

In Flames - Embody the Invisible

 こういった曲では、イントロでギター2本によるハーモニーが見られますが、ベースはルートを元にしたフレーズを弾いています。かと言って「ギター主体的」でないとは言えません。

故に「ギター主体的」の要素が見られない曲を、消去法的に「ベースライン主体的」であると割出していきます。

 

本題

ほんへ。 実際に私の曲でユニゾン/ハーモニーがどのように使われたか解説します。

 

・Ambox Ambo - Everlasting Run

ニゾンが見られる場所

・0:31:メインリフ提示でギター2本によるオクターブユニゾン

・0:41:プリヴァースでギターとベース

・0:56:ヴァースでギターとベース

・5:58:エンディング

 

ハーモニーが見られる場所

・0:15:オープニング

・0:36:メインリフ提示

・1:06:ヴァース

・2:58:トリオ

・4:16:コーラスフィル

・4:40:コーダ

・5:58:エンディング

 

結論

いっぱい使ってた!!!!!!!!

めっちゃメタル!!!! \m/ \m/

  

あとがき

前回の記事の感想を頂いた中で、 「知り合いが『リフの提示』という言葉を使っていたのを聞いたことがある」 という話を聞き、あぁ^〜私の感性は間違ってなかったんじゃ^〜と実感できました。

 

こういうエピソードがもっとあればどんどん肉付けされていくので、「ጎンጋ…」とかでもいいので感想貰えると嬉しいです。

ጎンጋ…ጎンጋ…

  

次回予告

どっちか

・メタル的なリフ編

・ギターソロ編

 

1ヶ月ブログ書かなかったら通知が来ちゃうので、それ見たらまた書くかも。